活動報告(ブログ)

2018年5月11日(金)衆議院外務委員会

【5/11衆議院外務委員会】
質疑の模様を、以下ビデオライブラリーにてご覧いただけます。
<質問要旨>TPP→CPTPPに至る経緯、日米並行協議等の位置付け、規制改革推進会議&官民連携推進室、ISDS、食料自給率、農産物の関税減収額 など
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48111&media_type=

平成30年5月11日 衆議院外務委員会議事録(文責:亀井事務所)

○中山委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。亀井亜紀子君。

○亀井委員 立憲民主党の亀井亜紀子でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
ふだん私は農水委員会に所属しておりますけれども、きょうは外務委員会の方に出張して質問させていただきます。
このTPPといいますと、交渉が始まったころから、産業界、自動車産業を代表とするそういう輸出産業対農業の構図で報じられることが多かったんですけれども、私はそれ以上に、TPPというのは、物品取引じゃなくてサービスも含めた、投資も含めた、もっと国の制度を大きく変えてしまう協定だと思っておりまして、そういう意味で、農業にとどまらずもう少し広い視点で質問ができたらと思っております。
初めに、このTPPの協定に関する国内協議が始まった当初のときからちょっと振り返って、質問させていただきます。
初めてTPPという言葉を聞いたのは、菅政権のときだったと記憶しております。2010年に、菅総理がTPPの交渉入りを検討するということを言い出しまして、当時政権与党であった民主党の中にも賛否両論ありましたし、私が当時所属していた国民新党は明確に反対をしておりました。
そして、いろいろ議論があった中で、最終的には、菅政権から野田政権にかわり、けれども、民主党政権のときには交渉参加は表明せず踏みとどまりました。
そして、衆議院選挙で政権交代があり、その選挙においては自民党は明確に、TPPの交渉参加は反対だ、そういうふうに言って戦ったと記憶しております。
そして、安倍政権が発足し、2013年にTPPへの交渉参加を決めたわけですけれども、ここに至る経緯、つまり、TPPに余り前向きではなかったと私は記憶しているんですけれども、それから交渉参加を決めたその理由は何であったのか、何をTPPから得ようとしたのか、まずそこの点についてお伺いいたします。

○河野国務大臣 TPPは、21世紀型の自由で公正な貿易・投資のルールをアジア太平洋地域に構築するという経済的意義にとどまらず、基本的価値を共有する国々が経済のきずなを深め、地域の平和と安定を強化するという長期的な戦略的意義がございます。
我が国は、こうしたTPPの意義を踏まえ、TPP12の交渉に参加し、このTPP12協定という成果を得たわけでございます。

○亀井委員 農業の分野から強い反対があったにもかかわらず交渉入りをしたというのは、今おっしゃったように、もっと広い貿易・投資のルールづくりに参加して、その中で守るべき分野は守っていった方がいいという判断に基づいて入っていったんだろうと思います。
あのときに交渉参加を政府が決めて、むしろその交渉参加を決めるのが遅過ぎた、入るんだったら最初から入らないとルールづくりに参加ができないしというようなことを言っていたのも記憶しているんですね。交渉に参加してみないと、そこまで何が話し合われていたのかベールに包まれていたわけなんですけれども、参加して、けれども、当初一番期待された自動車の関税の撤廃というところには全く至らなかったわけです。
では、何が得られたのかということなんですけれども、TPPに、最終的にアメリカが脱退を決めて、ここが、日本がもし抜けるのであれば非常によいチャンスだったと思うんですね。それであっても、アメリカが抜けた後でも日本は前のめりにCPTPPという形で推進をし続けた。その理由が私はどうしてもわからないんですけれども、なぜCPTPPという形にこだわったのでしょうか。

○河野国務大臣 TPP11は、21世紀型の自由で公正で新たな共通ルールをアジア太平洋地域につくり上げようというものでございます。対象は人口5億人、GDPで10兆ドル、貿易総額が5兆ドルという巨大な1つの経済圏をこのTPP11でつくり出すということになったわけでございます。
この中では、関税を削減するだけでなく、例えば、投資先で不当に技術移転を要求されない、あるいは知的財産が適正に保護される、こうしたルールが共有されるということから、我が国の中堅・中小企業にとっても多くのビジネスチャンスが広がるものというふうに考えます。
自由で公正な共通ルールに基づく自由貿易体制こそが世界経済の成長の源泉であると考えておりまして、このTPP11により日本が21世紀型の新しいルールづくりをリードすることの意味合いは非常に大きいと思います。我が国にとりましてもアジア太平洋地域にとっても画期的な成果を得ることができたというふうに考えております。

○亀井委員 質問には入れておりませんけれども、補足ですが、TPP、またアメリカが抜けた後のCPTPP内にとどまったというのは、アメリカと2国間での交渉に持っていかれるよりは、多国間の中の枠組みにとどまって、米国とのFTAに引き込まれるのを防ごう、そういうような意図もあったのでしょうか。
○河野国務大臣 我が国は、アメリカにとりましてもこのTPPに復帰することがベストの選択というふうに考えておりまして、私どもは今、アメリカに対してTPPに復帰するように呼びかけをしているところでございます。きょう、あすというわけにはいかないかもしれませんが、アメリカがこのTPPに復帰するということを強く期待をしております。

○亀井委員 ただ、これまでのところ、トランプ大統領の態度、発言を見ておりますと、TPPには興味がなさそうに見えます。アメリカの復帰というのは、そんなに明るい兆しがない、見通せない中で、私はこのCPTPPの交渉の中で、なぜ日本がTPP11を前提とした、アメリカが抜けた枠組みでの日本の権利というものをもっと主張しなかったのだろうかと疑問に思っています。
具体的に申しますと、農業の分野です。まず、第6条、その協定の見直しのところですけれども、その文章を見ますと、加盟国が修正に応じる保証というのはないですよね。検討する、英語の表現ではコンシダーですから、見直しの申出があったら考えましょうかぐらいのことで、別にそれでその内容について見直される保証は全くその文言の中にはないわけですけれども、そういった中で、一番私が問題が大きかったと思うのは、農林水産分野でのセーフガード、緊急輸入制限措置の発動基準値がそのまま残されてしまったことだと思います。
例えば、バター、脱脂粉乳のTPP参加国全体向けの低関税輸入枠、TPP枠、これはアメリカも含まれた場合での7万トンの枠というのを維持してしまったので、アメリカが参加しなくても、この7万トンの枠をほかの国で分け合うことができます。乳製品の分野では、アメリカよりも、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、このあたりの国が怖いわけですよね。ですから、アメリカの枠の分もこれらの国々がもらったわけですから、今大喜びです。
また、牛肉の分野でも、発効時、セーフガードの発動基準が59万トンで、これが16年目に73.8万トンまでふえることになっています。2016年度の牛肉輸入量というのは52.6万トンなので、もともとこの発動基準自体が高いんですね。その中で、オーストラリアから最大で27.7万トン、53%、二番目がアメリカからで20.7万トン、これが約39%。つまり、アメリカが離脱して、この分はカウントされないので、オーストラリアが現在から対日牛肉輸出量を2倍にしてもまだセーフガードの発動基準に足りないわけです。
こんな基準をなぜ残してしまったんでしょうか。伺います。

○河野国務大臣 TPP11においては、もともとのTPP12の特徴でありますハイスタンダードを維持するという観点から、米国不在であっても協定の内容自体は維持した上で、ごく一部のルール分野の適用の停止のみを行うということで合意をいたしました。世界で保護主義への懸念が高まる中、このアジア太平洋地域に自由で公正なルールに基づく経済圏をつくり上げるという意思を世界に示すことは、自由貿易を推進する観点から、画期的な意味があるというふうに思っております。
TPP11協定第6条において、アメリカを含めたTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合には、締約国の要請に基づき協定の見直しを行う旨規定をしております。この点、米国からの輸入量も念頭に合意された、いわゆるTPPワイドの関税割当て等については、この第6条に基づく見直しの対象となります。
こうした我が国の考え方につきましては、閣僚会議の場も含め、茂木大臣から各国大臣に明確に伝えており、これに対し、各国からも特段の異論がなかったものと承知しておりますので、各国の理解を得ていると考えております。

○亀井委員 同じような質問は農水委員会の方でもされているんですけれども、やはり返ってくる答えが、見直しをするということは理解されているものと思う、そういうような答弁なんですね。今の大臣のおっしゃったことも規定されているということなんですけれども、その規定されているというのは、その第6条にある締約国から申出があった場合には検討する、コンシダーという、そこの部分を規定されていると読んでいるんでしょうか。お伺いします。
○山野内政府参考人 お答え申し上げます。
このTPP11の協定の第6条には、締約国は、TPP第27章の2条、委員会の任務の規定を適用するほか、TPPの効力発生が差し迫っている場合又はTPPが効力を生ずる見込みがない場合には、いずれかの締約国の要請に応じ、この協定の改正及び関係する事項を検討するため、この協定の運用を見直すというふうに明確に規定されているところでございます。

○亀井委員 やはり、今お読みになったのが、その一般的な見直し条項のところだけですよね。その規定するというのはコンシダーとしか書いていないというものですから。そのほかに、例えばその会合で書かれた文章、そういう確約があって修正されるものと理解するならわかるんですけれども、この修正条項を見る限りにおいては、いわゆる日本の役所言葉で、検討するというのは何もしないということと同じで、前向きに検討するといってようやく少し進むのかなというような言葉の使い方ですけれども、それと同じように、これは何ら見直しを意味するものとは読めません。
ですから、農水分野に関しては、TPP11、CPTPPにおいて、日本だけが唯一凍結項目を出さず、TPP12から条件を後退させてしまった、事実上かち取ったセーフガードを発動できなくしてしまった唯一の国だと思っておりまして、これは1次産業がかなり壊滅的なダメージを受けると私は理解をしております。
1次産業がやはりダメージを受けるというのは、安倍政権が地方創生特別委員会をつくったり、私はそちらの方にも入っておりますが、地方の人口減少であるとか、いろいろ問題、課題を提起する中で、やはり1次産業が衰退するというのが一番地方が疲弊していく原因ですので、それに逆行する協定だと私は思います。
次に、日米並行協議の位置づけについて伺います。
日米並行協議というのは、日本がTPP交渉参加を認めてもらう条件として、2013年4月の日米合意に盛り込まれたと理解しております。
アメリカの要望に沿った協議内容で、合意事項はTPP発効時点で効力を持たせるという位置づけだったはずですけれども、ここに盛り込まれたことが、まだTPPが発効してもいないのに、前倒しで法律となって改正され始めていると思います。
TPPが発効しなくても、この間話し合われた合意事項というのは有効なのでしょうか。そうであるなら、なぜでしょうか。大臣にお伺いいたします。

○河野国務大臣 日米並行交渉の結果作成された書簡に記載された非関税措置などは、そもそも我が国のこれまでの取組や今後自主的に行う取組を確認したものであることを踏まえ、今後とも適切にその準備を進めていく、そういう考えでおります。

○亀井委員 済みません、適切にその準備というのは、ではTPP発効に備えた準備ということではなくて、それとは関係なく、米国からいろいろな要望が出てきている、それに対する準備ということでよろしいですか。

○河野国務大臣 時期については日本が判断をすることにしております。

○亀井委員 やはり、その日米並行協議がそもそも始まったとき国民に説明をされた、TPPの交渉参加の条件として並行して話し合うのだというところからは、ちょっと違ってきているように聞こえます。
伝え聞くところによりますと、2013年、この協議が始まったときに、当時のカトラーUSTR代表代行が来日して、外務省経済外交担当大使森健良さんに日本の法改正リストを手渡したというふうに聞いております。その内容は、米韓FTAに盛り込まれたものと似た、日本にとっては法外なもので、日本側はTPP交渉に入る前のこの事前協議で、米国の自動車の関税撤廃をTPP交渉で最も遅いものとそろえるという、その条件をのまされたと聞いております。これは事実でしょうか。 また、このときカトラー氏が渡した法改正リストなるものがあるのでしょうか。大臣にお願いいたします。

○山野内政府参考人 TPP12の協定交渉時に米国と並行交渉をしたわけでございまして、我が国は、そのTPP交渉参加に関する日米の事前協議の結果としてその並行交渉を始めたわけでございまして、今御指摘のとおり、外務省の経済外交担当大使である森健良とカトラー当時のUSTRの通商代表代行との間で2013年から行われたものでございます。非常に厳しい交渉でございました。
これは、その交渉の中身については、常日ごろから御理解いただけているところと思いますけれども、相手もありますし、我が方の手のうちをさらすということにもなりかねませんので、交渉の中身についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、交渉の結果まとまったものは、全て国会に御提出して承認をいただいているというものでございます。

○亀井委員 TPP交渉の最中にその交渉の中身について答えられないというのは理解できます。ただ、その交渉の結果協定を結ぶ、結ばない、その審議をしているところでやはりその内容が出てこない。特に、こちら側がどう返したかということじゃなくて、相手が何を要求してきたかというのが今の時点になってもわからないというのは、私はこれは問題だと思います。
ですので、2013年にカトラーさんが日本に要求してきたリスト、これを提出していただきたいんですけれども、お願いできますでしょうか。

○河野国務大臣 交渉の中身については、相手方との関係もございますので、差し控えたいと思います。

○亀井委員 相手が何を要求しているのか、そのリストの中のまだ一部しか日本はもちろん受けていないと思いますけれども、やはり今後のアメリカとの交渉の参考になるものですし、やはり議会として知っておく必要があるんじゃないかと私は思いますので、このカトラーさんのリストについては、理事会の方でも御協議いただけるようにお願いしたいと思います。

○中山委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

○亀井委員 では、次の質問に移ります。
アメリカは、もう大分前から、初めは年次改革要望書、ここには例えば司法制度改革ですとか郵政民営化ですとか、そういうことが書かれていたわけですけれども、そのときから名前を変えて、現在では、外国貿易障壁報告書というものがUSTRから発表されております。各国に対して要望を出していて、その中に日本の部分があります。
ですから、堂々とUSTRは発表していますから、アメリカ側が何を要求しているかというのは明らかなんですけれども、これに対しての対応ですね、会議体として、今お話しした日米並行協議のほかに、日米経済対話というのもございます。また、先日、日米首脳会談で合意した、貿易に関する協議を設けるというのも発表されておりますけれども、この日米並行協議、日米経済対話、この間合意された協議、何がどう違うんでしょうか。それぞれの位置づけについて、例えば参加者ですとか開催頻度ですとか、あるいはどれか統合されていくのか、その違いについてお答えください。外務大臣に伺います。

○河野国務大臣 まず、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議につきましては、先般の日米首脳会談で、茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始するということで合意をいたしました。
この協議は、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現するために、日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大させていくとの目的で行われるものでございます。
一方、日米経済対話は、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略、経済及び構造政策分野での協力及び分野別協力の三本の柱に沿って議論をしてまいりました。これまで、麻生副総理とペンス米国副大統領との間で昨年4月及び10月の2回実施されてきております。茂木大臣とライトハイザー通商代表の間の自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議の結果は、この麻生副総理とペンス副大統領の間の日米経済対話に報告されることになっており、両者がいずれかに集約されるというものではございません。
なお、TPP12協定交渉時の自動車貿易及び非関税措置に関する米国との並行交渉は、我が国のTPP交渉参加に関する日米事前協議の結果として、森外務省経済外交担当大使とカトラー米国次席通商代表代行との間で2013年から行われ、2016年2月のTPP協定署名をもって、この協議は終結をしております。

○亀井委員 なかなか複雑なんですけれども、御説明いただきましてありがとうございました。
では、次の質問ですが、規制改革推進会議というのがございます。ここの民間委員が集まって話し合われた内容が法律となって、官邸主導でここの国会に出てくる、そういう動きがかなり顕著になっていると思います。
この規制改革推進会議というのは、米国が要望してきたいろいろな規制緩和、安倍政権自体が岩盤規制を打破するということを言っているわけですから、要望のあった規制を議論する場としてまず存在しているんでしょうか。また一方で、外務省の方で官民連携推進室というのが設置されています。これはどのような組織なのでしょうか。

○河野国務大臣 規制改革推進会議というのは、経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進する観点から、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制のあり方の改革に関する基本的事項を総合的に調査審議し、内閣総理大臣に意見を述べることとしております。
また、外務省の官民連携推進室は2015年9月に設置されましたが、新興国を中心とする海外の経済成長の勢いを日本経済に取り込むという観点から、政府は日本企業の海外進出支援を重視してきております。官民連携推進室はこの取組を推進するために設置されたもので、ここでは、インフラシステムの海外展開や企業などからの照会、要望に対する第1次的な窓口業務、農林水産物、食品の輸出促進や日本の食産業の海外展開支援などの業務を行っております。
規制改革推進会議と官民連携推進室というのは、全く、官庁も別でございますので、特に関係はございません。

○亀井委員 御説明ありがとうございます。
この、いわゆる官民連携推進室、外務省にあるものというのは、日本企業が海外にインフラ投資をしていくときにその手助けをする部署として存在するわけで、一方で、安倍政権が官民連携ということをよくおっしゃるんですけれども、その政府全体の方針があるので各役所にこの官民連携の部署があって、今実際に見ますと、例えば公共施設などの総合管理計画が、たしか国交省の方だったと思いますけれども、発表されていたり、官民連携事業案件リストなるものも出てきているわけです。
これは、安倍政権全体にわたって、官民連携という分野でそれぞれ別個に各役所に設置されているものというふうに理解すればよろしいでしょうか。

○山野内政府参考人 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、今の日本の置かれた状況から考えますれば、海外の経済成長の勢いをしっかり日本の経済に取り込むという観点から、日本企業の海外進出を支援するということを非常に重視しておりまして、それを実践をするために、2015年9月に官民連携推進室を設置したところでございましたけれども、インフラシステムの海外展開のほかに、さまざまな企業からの照会、要望等に対する第1次的な窓口業務をやっておりますし、日本政府全体として推している農林水産物、あるいは日本製の食品の輸出促進、そういったものの日本の食産業の海外展開の支援、こういったこともその業務の一環として行っているところでございます。

○亀井委員 日本が積極的に海外に投資をする、それを推進するのは結構だと思うんですけれども、一方で、海外からやはり日本に投資が入ってくることにも備えなければいけない。
その中で、TPPに関して私が非常に気になっているのは、TPP協定第15章の政府調達の部分です。ここの部分が今回のCPTPPでは凍結をされていると伝えられましたけれども、よくよく見てみますと、凍結をされた部分というのはごく一部、今後の適用分野の拡大の部分が凍結をされただけであって、そのほかの部分は凍結されていないんですよね。
政府調達、水道、ガス、電気、公共交通機関、レストラン、学校、病院、電話、スマホ、郵便などなど、日常生活の中であらゆるサービスを受けて私たちは生活しているわけで、TPP協定というのが、物品だけじゃなくて、国境を越えるサービスの貿易章、これは10章、それから17章は国有企業及び指定独占企業章、第15章は政府調達というふうに、いろいろなサービスに関してのルールを決めております。そして、この政府調達の部分で一番心配されるのは、やはり地方の公共事業に外資系の企業が参入してくるであろう、そのリスクなんですよね。
TPPでは、国有事業、公共調達のところまで自由化をして、いろいろな、例えば、公開入札を原則とするですとか、入札における内国民待遇及び無差別の原則、調達の過程の公正性及び公平性などが規定されています。詳しく言うと、過去の実績を入札の資格条件としてはならない、これは15章8条1項。あるいは、技術的な理由でほかに選択肢がなかった場合にだけ公開入札の例外は認められる、これが10条ですね。それから、入札に当たっての技術仕様について、貿易に障害を与える仕様は禁止するとあるので、例えば日本独自の技術仕様とか特殊な技術仕様などは一切できないことになる、そういうふうに読めます。
今、地方の公共事業は、その実績や規模などにおいて、建設会社がAランク、Bランク、Cランクに分かれて、ある程度すみ分けをして入札をされていると思います。地方の経済というのは、やはり1次産業と公共事業で成り立っている部分があるわけですけれども、ここに外資系の企業が参入してくる、そして公正な競争条件を確保しなきゃいけないということは、入札の条件の書類を、英訳を出さなきゃいけないということですよね。それが地方自治体に求められているということをまだ日本国民は余りわかっていないと思います。
じゃ、どのレベルまで求められるのかというのが、都道府県と政令指定都市までですね、今は。これだけでも大変な作業だと思うんですけれども、ここの部分は今回のCPTPPで凍結されていないということでよろしいですね。

○山野内政府参考人 政府調達の観点でございますので、ちょっと技術的ではございますけれども、御説明させていただきます。
WTOの政府調達協定におきましては、基本的な考え方といたしまして、都道府県及び政令指定都市につきましては、一定基準額以上の調達、それを指定された範囲のものにつきましては内外無差別で行うということになっておりますけれども、基準額以下の調達あるいは対象範囲外のサービスの調達、そしてあと政令指定都市以外の市町村におきましては、そういう調達などにつきましては内外無差別による調達を実施する義務はない、こういうのが基本的制度でございます。
今回、TPP協定におきまして我が国が約束した内容というものは、このWTOの政府調達協定の水準と同様のものでございますので、このTPPの協定によって追加的な負担が生じるということはないというふうに考えております。

○亀井委員 今おっしゃったことは、WTOの中のGPA、公共調達についての国際条約かと思いますけれども、これにもいろいろ問題があるので、WTO162カ国の参加国の中で17カ国しか入っていない。ここに入っていない国が今回TPPには入っているわけですから参加してくるということで、今まで対象でなかった国々も入ってくるというのは事実ですよね。ちょっと確認いたします。

○山野内政府参考人 それは御指摘のとおりでございます。
ただ、我が国の地方公共団体が負っているやるべきことということについての変更はないということを申し上げたところでございます。

○亀井委員 ただ、今まだそういう例がないだけで、参入はしてこられるわけですから、だんだん、やはり参入してくれば、公平に英語で入札の書類も出さなきゃいけないですし、そういう場面は出てくるだろうと思います。そのことについてやはり、地方公共団体がその準備ができているとは思えませんし、きちんと情報は伝えていくべきだと私は思いますし、私はこの分野についてはやはり慎重であるべきだと考えております。
そして、ISDSについて質問いたしますが、公共調達の分野で、仮に外資系の企業が日本の公共事業、地方の入札などで参加をしてきて、それで、公平ではないということでISDSで訴える可能性というのもあると思います。
今までの例えばISDSの事例ですと、有名なのはフィリップ・モリスの1件で、これはフィリップ・モリスの香港にある子会社を通じてオーストラリア政府を訴えたというものです。オーストラリアの政府で、たばこのパッケージにたばこが健康を害しますというようなことを小さい文字で書こうとしたときに、それは利益を損なうということでオーストラリア政府が訴えられて、国民がISDSというものの存在に驚いたというお話はよく聞く例なんですけれども。
今後、やはりそういった、例えば日本のどこか地方公共団体が入札に関してどこかの企業から訴えられるとか、そういう可能性もISDSというのは持っているわけで、初めは積極的に推進をしていた国々でさえ、ちょっと今見方が変わってきている中で、今回、CPTPPの交渉の中で、日本は凍結を求めず、むしろ推進したというふうに聞いているんですけれども、それは事実でしょうか、そしてそれはなぜでしょうか。

○河野国務大臣 TPP11協定を含む投資関連協定のISDSは、投資受入れ国の司法手続に加え、中立的な国際投資仲裁に紛争を付託できる選択肢を投資家に対して与えることによって、投資受入れ国において日本企業がビジネスを行う上での予見可能性や法的安定性を高めることから、海外投資を行う日本企業を保護する上で有効であり、日本の経済界も重視している規定でございます。
我が国としては、こうしたISDSの意義を踏まえ、投資関連協定交渉において引き続きISDS条項が盛り込まれるよう取り組んでいく考えでございます。

○亀井委員 日本の企業が海外に投資をして被害をこうむったときに何らかの救済措置が必要だというのは理解ができるんですけれども、でも、それがISDSであるべきかどうかというのは私は疑問があります。
通常の司法の機関ではなくて、特別な仲裁措置というか、ISDSという規定が設けられているというのは、私はやはりちょっと、訴えられることを考えたときに、主権を損なうと考えておりまして、ここは慎重であるべきだと思います。ですので、ここは大臣とは見解が異なりますし、国民の間でもまだそんなに合意はできていないと感じております。
また内容は変わりますけれども、NAFTAについてお伺いをいたします。
今、トランプ政権のもとでNAFTAの再交渉が行われています。再交渉が議会で成立するかどうか、今ぎりぎりのところのようですけれども、トランプ政権がNAFTAの再交渉を求めている、この背景というものについて、外務省がどういうふうに見ておられるのか、伺いたいと思います。
ちなみに、私のNAFTAに対する考え方なんですけれども、ちょうどNAFTAの交渉が進んでいるときに私はカナダに住んでおりまして、国内で大変な議論になっていた時期をずっと向こうで過ごしておりましたので、当時のことをよく覚えています。それで、今、94年に発効してから2014年で20年たったんですけれども、NAFTAというものがどうであったのか。
私は、勝者はないように思うんですね。少なくとも、トランプ政権が選挙に勝った、それは、メキシコから労働者が流れ込んできてアメリカ人の雇用を奪っている、だから壁をつくるのだというふうに言ったわけですけれども、でも、メキシコ人が好んでアメリカに出稼ぎに行っているわけではなくて、彼らは、NAFTAの結果生活ができなくなってしまった元農民か、あるいは、特区で働いているけれども、いわゆるワーキングプアの状態で生活ができなくなった人たちか、そういう人たちがアメリカに新天地を求めているわけです。ですから、原因はメキシコにあるわけじゃなくてやはりNAFTAにあると思います。
そういった中で、アメリカは、メキシコから輸入されてくる、自動車の部品の協定に締約している3カ国での部品生産の比率の引上げを今求めていて、62.5%から70%を要求しているようなんですけれども、こういうNAFTAについて日本はどう見ているのかというのを外務省に対してお伺いいたします。

○河野国務大臣 アメリカ、カナダ、メキシコは、おっしゃるように、昨年8月から現在に至るまで、累次にわたりNAFTAの再交渉会合を開催し、大筋合意に向けて現在も交渉中であるというふうに承知をしております。
日本といたしましては、第三国間の通商協定交渉についてコメントする立場にはございません。しかし、メキシコ及びカナダには自動車メーカー等数多くの日本企業が進出しているということから、NAFTAを活用した企業活動が積極的に行われているものと承知をしております。その再交渉によるこうした日本企業への影響その他について、引き続き注視してまいりたいと考えております。

○亀井委員 NAFTAにカナダは加盟していて、そして、今回のCPTPPのときに、カナダは最後、文化的な要素というのを持ち出してまで、余り、交渉、締結時、前向きではなかった、最後までごねたというようなことが聞こえてきております。
私、それで思い出すことが、やはり当時のNAFTAの締結のころのことなんですけれども、小選挙区制度の怖さとしてよく挙げられるのは、カナダの1993年のキャンベル政権のもとでの総選挙で、当時の与党だった169議席持っていたカナダ進歩保守党が、選挙の結果、167議席失って2議席しかとれなかった、そういうことがありました。
それの背景なんですけれども、やはりNAFTAとGST、グッズ・アンド・サービス・タックスという連邦税であったと私は確信をしています。NAFTAの貿易交渉が始まったときに、当然、関税がゼロになるということは関税の税収がなくなるので、その分を何に求めるのかという議論があって、カナダはGSTという、日本で初めて消費税を導入するような、そういう議論になりました。
ですから、GSTを導入することによって関税減収分の穴埋めをしようとして、これが非常に国民に不人気であったということと、加えて、NAFTAが決まった後で、例えばカナダの工場がメキシコに移転していったりということも重なって、かなり政権が不人気だったと記憶しています。
そこで質問なんですけれども、関税を撤廃していく方向に日本があるわけで、その分の減収分というのをCPTPPまたTPPでどのぐらいと計算をされているのか、その減収分の部分の財源をどこに求めていくのか、そういう試算をされておりますでしょうか。質問いたします。

○山野内政府参考人 今の詳細な質問について、通告をいただいておりませんので、関税を撤廃することによって減った部分をどう補うかということについての直接の数字を持ち合わせておりませんけれども、このTPPについてのその経済影響分析というものは行っておりまして、これは、GDPのベースでいいますと1.5%のGDP成長をもたらす経済効果があるというふうに試算されているというふうに承知しております。

○亀井委員 私の通告で、特に農業分野でどれだけの減収になるのか、その関税撤廃分ですね、そういう質問はさせていただいたので、では、それについて質問いたします。
加えて、そのCPTPPが発効した場合の食料自給率との関係、どのくらい落ちるのか、変わらないのか、その点についても質問いたします。

○野中大臣政務官 お答えいたします。
まず、税収の減額はいかほどかということでありますが、これは、資料は、データは財務省のデータ、試算でございますけれども、まず、TPP1 2におきましては、平成27年12月に公表されました関税収入減収額及び関税支払い減収額の試算において、農産品の関税収入減収額でございますが、初年度で660億、そして最終年度で1,650億であると承知をしております。また、TPP11におきましては、初年度で190億、そして最終年度で620億円であるというふうに承知をしております。
そして、自給率についてもお答えをさせていただきたいと存じますが、昨年の12月に公表いたしましたTPP11の定量的な影響試算、この段階で、生産額の影響とあわせて、自給率への影響も試算をしたところでございます。詳しく申し上げますと、影響試算の結果、価格低下による生産額の減少は生じますが、国内対策によって生産量は維持できるというふうに見込んでおりまして、その結果、カロリーベースで平成28年度の38%という水準と同程度になるものと見込んでおります。

○亀井委員 追加、今の御回答に関しての質問ですが、以前、2011年ごろだったと思いますけれども、TPPが発効したときに自給率40%が14%になるというような数字を農水省が出していたように記憶しているんですけれども、そういう数字はありませんか。そして、今の現状であっても40%というのは、緊急時、例えば輸入が途絶えたようなときには、国民1人2,000キロカロリーを確保する計画というのは、米じゃなくて田んぼが芋畑になった場合のカロリー計算でされておりますので、その点も含めて、もう一度自給率について伺いまして、ちょっと時間ですので、最後の質問といたします。

○天羽政府参考人 お答えいたします。
今ほど先生がおっしゃられた自給率についての試算でございますが、それは、TPPの交渉に入る前に、全ての農産品の関税率が全部撤廃されるという前提のもとでの試算であったというふうに承知をしております。

○亀井委員 ありがとうございます。
14%が何をベースに出した数字なのか気になっていたので、そこは確認ができてよかったです。
まだまだいろいろ質問したいんですけれども、時間が来たので終わらせていただきます。私は、まだいろいろと確認すべき点がたくさんこの案件についてはあると思っております。
お時間いただきまして、ありがとうございました。以上です。

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