1998年から斐伊川流域の環境保全や環境教育に取り組んできたNPO法人「斐伊川くらぶ」が、何と行政主導(島根県及び松江市)で解散に追い込まれるという前代未聞の事件が起きました。「斐伊川くらぶ」は松江市や出雲市の小学校の課外活動として宍道湖再生(水質浄化)の為にヨシを植えたり、八束町を桜の名所にしようと千本桜(実際には1,000本以上!)を植樹したり、地道に活動を続けてきたNPOです。もともと尾原ダムの流域で地域振興に関わっていたところ、宍道湖畔の活動にも協力してほしいと県から要請があったそうで、そうした経緯からか、県知事や松江市長の参加も得ながら活動していました。松江市内に事務所を持ち、職員も雇用していたのですが、昨年春、河川拡幅の為に立ち退きを迫られ、活動を続けることが困難になった為、理事長が解散を決断しました。「そこのけ、そこのけ、川が通る。」というのでしょうか。典型的な公共事業最優先のやり方で、一体県や市は何を考えているんだろうと思いました。
本来、行政とNPOは補完し合う関係であるべきなのに、行政側の都合で「協力してほしい。」、「もういらないので立ち退いてください。」では、行政不信が拡がるだけでしょう。理事長の報告によると、某県議は県議会で「宍道湖のヨシは水質を悪化させている。腐ったヨシが水を汚す。」という発言をしたそうで、古来から自生しているヨシをどう説明するのかと理事長は怒り心頭でした。本当におかしなことが起こっています。これまで課外活動でヨシを植えてきた子供達に「あなたの活動は無駄でした。」と言ってどうするんだろう…と思います。
2012年9月27日(金)~29日(日)地元活動報告参照