東京芸術劇場コンサートホールにて、日本・ベネズエラ外交樹立75周年記念事業「エル・システマ・フェスティバル2013」が開催されました。エル・システマとは1975年、ホセ・アントニオ・アブレウ博士が創設したベネズエラの音楽による無償の青少年教育システムで、14歳から22歳まで計175人の若者がユース・オーケストラを構成しています。ホセ・アントニオ・アブレウ博士は元文化大臣、経済学者で音楽家。ユネスコ平和大使に任命されており、「芸術文化が裕福な一部の人間だけに享受されてはならない。」という信念のもと、エル・システマを設立しました。2012年ノーベル平和賞ノミネートの個人188人のうちの1人だそうで、今回来日されていました。
この日はベネズエラ大使館主催のカクテルレセプション、コンサートと続き、コンサートの途中でホセ・アントニオ・アブレウ博士の功績を称える表彰式。その後、皇后陛下が御臨席されて最後の1曲(マッティンソン:コントラバス協奏曲)。アンコール2曲の後、終了。最後印象に残ったのは、美智子皇后陛下が演奏者全員、舞台から去るまで退席されないこと!コンサート会場ではたいてい拍手の最中に観客が帰り始め、この日もそうだったのですが、皇后陛下より先には帰れないと思って残っていたら、いつまでも拍手を送って退席されないのです。ようやく出演者が気が付いて手を振りながら舞台を去り、その後、退席されました。美智子皇后陛下のお気遣いや皇室外交の重要性を感じた一幕でした。