山形の大人気レストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが大田市大森町の「他郷阿部家」(やどかりノート参照)の台所で島根の食材を使ったコース料理を振る舞いました。奥田シェフは地元鶴岡市で地場イタリアンを自称し、地域食材を使うことに徹しています。海外で修業したシェフではなく、彼のイタリアンは奥田料理と言っていいでしょう。イタリア・スローフード協会国際本部「テッラ・マードレ2006」で「世界の料理人1,000人」に選出され、「情熱大陸」や「ソロモン流」等の番組にも取り上げられて、料理の世界ではかなり有名な方です。
今回のイベントは群言堂の創立25周年記念行事「石見銀山で食の未来を考える一日」として開催されました。群言堂の松葉大吉会長から日頃奥田シェフの噂を聞いていたので、食道楽の私はこの企画に飛びつきました。
当日、「他郷阿部家」の台所には奥田シェフはもちろんですが、津和野から「カフェレストラン ポンム・スフレ」(コーヒーブレーク参照)の赤松健二シェフが参加しており、何と彼の息子さんが現在、「アル・ケッチァーノ」で修業中とのこと。つまり親子で台所に立っていたのでした。やっぱりこの親にしてこの子ありですね。「カフェレストラン ポンム・スフレ」はオープン20周年を記念して今月20日(金)から店名を「ピノロッソ」に変えました。ポンム・スフレはフランス語なので、今度はイタリア語で「赤松=ピノロッソ」にしたそうです。赤松シェフはフランス料理の三國清三シェフの信奉者で、実際この翌日は東京で三國シェフの手伝いとのことでしたが、息子はイタリアンを修業中だし、「ピノロッソ」はイタリアンなのでしょうか…。近日中に食べに行ってみます。息子さんもいずれ地元に帰って店を継ぐ(または別に始める?)そうで、店名が本気か冗談かわからないけど、奥田シェフ曰く「アル・ツッワーノ」(笑)。行ってみた~い!首を長くして待つことにします。
初めての奥田料理は和食のエッセンスも入った優しい味のイタリアンでした。「他郷阿部家」の食器が和風なので、なおさら和風に見えます。食材の組み合わせが新鮮で、創作イタリア料理、やっぱり奥田料理なのです。とにかく研究熱心な方で、食事も解説付き、その後の講演まで聴いてしまいました。料理人と調理人は異なり、料理人は食材を見つけることから始めるのだそうです。知らなかった…。
この日、私は益田から日帰りで石見銀山を堪能しました。「カフェ・カリアーリ」(コーヒーブレーク参照)で珈琲も飲みました。店内を少し拡張してテーブル席ができていました。
最後に悲しいお知らせですが、群言堂のアイドル猫「キムチ」(地元の活動報告参照)が7月24日(水)、17才で大往生しました。キムチがいた家は「追悼写真展」会場に変わり、どれだけ皆様から愛されていたのか、改めて感じました。ある日はショーウィンドウでじっと動かないディスプレイ猫、ある日は店先でまどろむ番頭猫、ある日はのっそのっそと歩くしっぽの太い狸猫…。私のキムチの印象です。寂しいけど幸せな猫だったと思います。