衆議院野党6党が不信任案提出、参議院野党7会派(みどりの風が加わったので)が問責決議案提出…。これは民自公3党が予測していなかった前代未聞の出来事でしょう。なぜこんなことになったのか?これには前段がありました。
もともと自公以外の野党には、民自公3党の密室談合で勝手に決めるな、3党だけで政治をやっていいのかという不満がありました。震災の後から3党協議が出てきて、最近はそれに慣れ切ってしまったのか、3党の行動がエスカレートしていました。消費税法案は内容ではなく「解散」という政局優先の修正合意、原子力規制庁法案は国会事故調査委員会の結論を待たずに3党が強引に可決、同意人事はおそらく民自2党が裏で同意して国会提出、国会事故調査委員会の黒川清委員長を環境委員会で参考人に呼ぼうとしたら民主党と自民党が妨害…と続いて、もう参議院でまともに議論ができない、議会が機能していないのです。国会が選んだ国会事故調査委員会の委員長を国会の委員会に呼ぶことができない(全会一致じゃないと呼べないのです)という不条理は、民自以外の政党を怒らせました。こうした横暴に対し、物言おうと3党以外の政党が集まって真の野党国会対策委員会を開いたところ、まずは第一弾として議長に対する申し入れが行われ、第二弾として問責を提出することになりました。衆議院の消費税法案採決の際、野党6党は議長に対して採決すべきでないという申し入れをしていたので、同じことを参議院でもしようという流れになりました。また問責だけでは拘束力がないので、衆議院の内閣不信任案と同調しなければいけないということで、参議院から衆議院への働きかけが行われました。つまり今回の動きは、民主党を離党した小沢一郎氏による政局ではなく、参議院側から始まった動きです。
自公に「踏み絵を踏ませる。」という言い方がされていますが、実質大連立をしているならはっきりしろ、自分達の都合で与党と野党の間を行ったり来たりするのでは訳がわからないということなのです。自公が密室談合で大事なことは決めておきながら、いざ不信任案や問責決議案を出す時は当然のように他の野党も賛成すると考えるのは勝手である、それなら自分達で出そう、という結論に至りました。
そもそも「話し合い解散」とは究極の茶番です。裏で手を握って法案を通し、解散を演じて選挙も演じる、終わったら大連立…ではもう滅茶苦茶です。民自公3党で政治をしていたら、実は他の野党が不信任案を出せるほど人数が増えていた、というのが今の実態だと思います。