活動報告(ブログ)

2012年3月27日(火)東日本大震災復興特別委員会質問議事録

平成24年度一般会計予算等

☆議事録☆
亀井亜紀子委員
国民新党の亀井でございます。

今日はSPEEDIについて、その文科省の責任範囲との関連で質問を致します。

SPEEDIは正確には緊急時迅速放射能影響予測ネットワークといいます。けれども現実に起きたことは緊急に迅速に活用はされなかったと、これは誰もが思っています。SPEEDIというのは、1979年のアメリカのスリーマイル島原発事故を踏まえて開発をされたものです。そして日本で開発をされて、その翌年には福島と佐賀を対象に運用を始めている。つまり福島県というのは最も早い時期にSPEEDIの対象となった地域です。

緊急時に迅速に情報提供しなかったのは、SPEEDIの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難だからなのでしょうか。そうであれば何の為のSPEEDIなのか、それだけ自信のないネットワークということなのでしょうか。責任の所在、色々と今原発の事故調でも言われていますけれども、いわゆる一般的な常識としてといいますか、人間としてといいますか、文部科学省は被災者の安全を大きく左右するその情報を知り得たのであれば、普通に多少混乱を招いても避難民に教えてあげようという、そういう気持ちは起きなかったのでしょうか。文科省にお尋ね致します。

神本美恵子文部科学大臣政務官
亀井先生にお答え申し上げます。

SPEEDIの計算結果を迅速に提供しなかったのはなぜかということでございますが、今回の原発事故におきまして警戒段階に該当するとの原子力災害対策特別措置法に基づく通報を受けまして、文部科学省としましては、災害対策マニュアルに基づきまして原子力災害対策本部の事務局であります原子力安全・保安院をはじめとして関係省庁にSPEEDIの計算結果を提供してございます。マニュアルに基づいて計算結果を提供しているということでございます。

なお先生もご指摘のように、今回の地震に伴う事故につきましては、放出源情報が得られなかった為に単位量放出に基づく計算、1ベクレル放出したという仮定の下に計算をされたものでございます。これらの取り扱いについて、昨年12月に取りまとめられました政府の事故調の中間報告においては、SPEEDIシステムを活用した国民への情報提供は原子力災害対策本部又は原子力安全・保安院が果たすべきであった、国民への情報提供は原子力保安院が果たすべきであったとされておりまして、一義的には原子力保安院事務局が適切に対応すべきものと考えております。

一方この中間報告におきましては、じゃ、文部科学省としては、広報活動に対する一義的な責任は負っていなかったものの、SPEEDIを所管する省として原子力災害対策本部に助言するなどの役割が期待されていたにも関わらず、自らあるいは原災本部等を介してこの情報を広報するという発想はなかったという指摘を受けておりますので、この指摘につきましては真摯に文科省としても受け止めるべきものと認識をしておりまして、今後省内においても検証をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

亀井亜紀子委員
当時、原発事故が起きて直後の頃というのは、全党が参加する震災対応の実務者協議に私も毎日出ておりまして、かなり早い段階でSPEEDIという言葉が出てきまして、情
報公開しろと言って、何日も何日もそういう状態でしたので、そのことを思い出しながら今質問しております。

今のご答弁を伺っていて感じたことは、文科省の役割とは何かということなんですよね。つまり予算を付けて何かのシステムをつくる、それはもちろんそのシステムから出てくる情報を活用したいからそもそもその研究なりが行われるわけですけれども、文科省というのはそれをつくって終わりなんですかね。その後、誰が活用するのかというところのいわゆる線引きといいますか位置付けが、この問題に限らずちょっと、科学技術開発もそうなんですけれども、わからないところがあります。

今回のSPEEDIに関しては、文科省はSPEEDIの計算ですね、つまり放射性物質の濃度の実測値を基に原発からの放出量を推定する、逆算する計算ですけれども、これを委託契約をしている原子力安全技術センターに一度依頼しながら、一方的に16日に原子力安全委員会にその運用を移管した為にここで計算をやめてしまったと。そして原子力安全委員会がまたこれを計算し直して公表したので、この部分のタイムラグがあって遅れたというふうにも言われております。

ですからもう一度伺いますけれども、文科省というのは、研究開発だけする役割なのかどうかということと、このように政府内で責任を回避する体制というのは、原子力規制庁ができれば解決されるのでしょうか。お伺い致します。

神本美恵子文部科学大臣政務官
先程もご答弁しましたけれども、文部科学省としましては、原災法の第十条に基づく通報を受けた場合、原子力安全技術センターに対して、直ちにSPEEDIネットワークシステムを緊急時モードとして、原子力事業者又は安全規制担当省庁からの放出源情報が得られ次第予測を実施するよう指示をするというふうにされております。その結果を安全規制担当省庁、保安院ですが、と関係都道府県、原子力安全委員会及びオフサイトセンターの端末に転送するとともに関係省庁に連絡をするというふうなマニュアルがありますので、それに従ってやってきたところでありますけれども、先生ご指摘のように、じゃ文部科学省はそれだけなのかということにつきまして、昨年の3月16日に原子力安全委員会に一方的に移管をしたのではないかと、マスコミの対応を回避する姿勢に転じたというふうに指摘もされておりますけれども、これにつきましては、昨年の3月16日に官房長官から役割分担が改めて指示をされました。

その中では文部科学省としては、モニタリング情報等の取りまとめ及び公表、それから原子力安全委員会がモニタリング情報の評価をする、それを受けまして原子力災害対策本部が評価に基づく対応をするということが、昨年の3月16日にそういうふうな役割分担がされましたので、文部科学省としてはその方針に則りまして、モニタリングデータの評価を行うこととなった安全委員会の方にSPEEDIのオペレーターを2人派遣するようにしたものでありまして、文部科学省が一方的に移管して責任回避をしたのではないかというご指摘については当たらないものと捉えております。

しかしながら、昨年のその運用につきまして文部科学省は、じゃ責任は全くなかったのかと、そういうことではなくて、中間報告でも述べられておりますように、きちんとした検証をしなければいけないというふうに考えております。

園田康博内閣府大臣政務官
後段の原子力規制庁についてのお問い合わせがございましたので、私からお答えをさせていただきます。

今先生ご案内の通り、政府内でSPEEDIの運用についての責任の所在あるいは役割分担、こういったことが不明確であったというのはもう本当に否めない事実でありますし、ご指摘の通りだというふうに思っております。

それを受けまして、私ども政府としては、これらの機能を原子力災害の初動対応の中核を担う原子力規制庁、ここに一元化をさせていただいて、そしてそこの中で緊急時に柔軟かつ迅速なSPEEDIの活用を行うというための体制というものを整えさせていただいているということでございまして、今法案を提出をさせていただいております。

加えてそのSPEEDIの運用だけではなくて、それをしっかりと十分に運用方法を政府内でも検討させていただいているとともに、今度はそれを実際に訓練を重ねてきちっと使えるような状況を整えていかなければいけないというふうに考えておるところでございますので、是非またご指導をいただければというふうに考えております。

亀井亜紀子委員
時間ですので終わります。

ありがとうございました。

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