12月11日(日)、松江市のホテル白鳥にて民進党島根県連が主催し講演会を開催しました。安保法制と憲法についての勉強会という趣旨で選んだ講師は東京新聞論説委員の半田滋氏。
「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」という演題でお話しいただきました。
今、ついに「駆け付け警護」の新任務が与えられた自衛隊が南スーダンに派遣されています。法律が通ってしまったのだから仕方ないじゃないか…と思う人もいるでしょうが、仕方ないで済む話じゃありません。このままでは自衛隊員が気の毒です。半田氏が自衛隊員の身分について非常に重要な指摘をしていたのでご紹介します。
自衛隊員は国際法上、身分が保障されていない、守られていないのです。
そもそも憲法違反の法律を根拠に自衛隊を派遣してしまいました。つまり戦争放棄をした憲法9条の下では自衛隊は軍隊ではなく、あくまで自己防衛の為の自衛隊。もちろん日本には軍法会議も存在しない。すなわち自衛隊員は軍人ではなく国家公務員なので、例えば武装勢力に捕まった際、ジュネーブ条約は適用されず捕虜として扱われません。人を殺した場合、殺人犯として相手の国の法律で裁かれてしまいます。だから安倍総理は憲法9条を早く改正して自衛隊を国防軍にしたいのでしょう。
これは重要な指摘です。自衛隊というのは警察予備隊から始まった組織です。戦車やミサイルを持った警察があるか!明らかに軍隊の装備なのだから憲法改正して軍隊にすべきだ、というのは1つの考え方です。賛否はともかく論理は通っている。ただ現実には憲法9条は改正されていないし、自衛隊は軍隊ではない。だから自衛隊の違憲論争があったわけですが、この点については既に決着がついています。他国に侵略されて無抵抗なのはあり得ないから、自衛隊をもって防衛するのは自然権の範囲内であると国際社会に認められている。(その他の活動報告参照)そういう環境の下、自衛隊は専守防衛に徹した組織として、また日本は集団的自衛権を行使しない、他国の紛争に介入しない平和国家としての道を歩んできたわけです。安倍総理は戦後レジームからの脱却、つまり日本を普通の国にしたい。軍隊を持ち、集団的自衛権を行使して他国の戦争にも参加できる国にしたいと公言しているわけですが、その為には国民を説得し、憲法改正するのが絶対条件です。
国家公務員に武器を持たせて紛争地帯のど真ん中に派遣してしまった…。それが今、実際に起きていること、安倍政権がやっていることです。どんなに解釈改憲だと言っても辻褄が合わない、無理があります。集団的自衛権云々の話ではなく、これは生身の人間の話。しかも政府が「比較的落ち着いている」と説明した南スーダンのジュバは、今年10月の国連報告書で治安「不安定」とされた地域です。ここにも嘘がある。現地では国連職員も武装勢力に襲われている、そもそも外国人は内政干渉してくる敵だと見なされています。
安倍総理が一番問題なのは、正面から堂々と議論せず、誤魔化そうとすること、嘘をつくこと。そして総理の嘘には国民の命がかかっているので、ただでは済まされない。そういう事の重要性、責任をこの人はわかっているのだろうか、自分の体裁が先に