総統選が終わり、国民党から民進党へ政権交代が決まった直後の台湾に行ってきました。もともと父が行く予定でいたので現地で合流しました。
今回の予定として外せなかったのは、津和野の日本酒の輸出を自分の目で確認すること。実は一昨年夏、日本酒を探している台湾企業の方々に津和野を視察していただいたのです。父と私で津和野の造り酒屋3軒をご案内したのですが、最終的に古橋酒造と商談成立に至り、昨年から「初陣」という銘柄の輸出が始まりました。古橋酒造は台湾用に「津和野」を強調したラベルを作り、これが「和紙」と「鯉」で津和野らしさを表現していて、なかなかお洒落…もちろん肝心の中身もおいしいです。
私は地方創生の手段として日本酒の可能性に期待しているのです。和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、和食のお店が増えてきたので日本酒のPRも今がチャンスです。そしてワイン愛好家がワイナリーを巡るように、日本酒の愛好家が酒蔵巡りをする…。「初陣」を知った台湾の方が津和野に行ってみたいと思ってくださったら嬉しいなあと思います。今は種蒔きの時期です。
今回は「初陣」の販売会社を訪問し、なぜか会社の忘年会にまで飛び入り参加してきました。(春節直前の1月末が台湾の年末なのです。)また「初陣」を取り扱っている和食店「吟翔懐石料理」にも行きました。その他には亜東関係協会との昼食会、対日経済文化協会との夕食会等々、懐かしい再会も新しい出会いもあり、充実した滞在になりました。台湾の選挙を振り返りながら意見交換しました。米大統領選の候補者選びでも民主党のサンダース氏が格差是正を訴えていますが、台湾においても格差問題は深刻で、今回の選挙に少なからぬ影響を与えたようです。それから中国との距離感、国民党の馬政権が近付き過ぎたことによる市民の警戒感については今更言うまでもありませんが、一昨年、島根県日華親善協会で訪台した時(国際交流の活動報告参照)に感じた中国人観光客急増の光景を思い出しました。やはり肌で感じる空気、変化や違和感というのは、後に政治的変化をもたらしたり表面化するものだと思いました。
自由時間は地下鉄で動き回り、初めて龍山寺を参拝しました。街中が「年末」という雰囲気なので、不思議とまた新年を迎える気分になってくるのです。というわけで参拝…。今回は初訪台の人を案内する必要がなかったので、お決まりの観光地には行かずに街歩きを楽しみました。鼎泰豊(ディンタイフォン)には今回も行きました。小籠包の有名店ですが、餃子もおいしいし、お土産のパイナップルケーキもおいしい!新たな発見(?)でした。
それから友人からお土産にもらった亀のお菓子。いかにも縁起がよさそうですね。日本で平安龜をいただきながら旅行を振り返っています。