日本の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」に認定し、国内に、そして世界に発信していく事業が文化庁主催、観光庁協力の下で今年度より始まりました。政府は2020年のオリンピックまでに年間の訪日外国人旅行者数2,000万人の達成を目標としています。その旅行者達が日本全国を周遊し、地域の活性化に結びつくように日本遺産を2020年までに100件程度認定していく予定であり、その第1回目の認定18ヶ所に津和野町が入りました。
6月29日(月)に東京国立博物館にて「日本遺産」認定証交付式とパネルディスカッションがあり、参加してきました。日本遺産の認定のポイントは「ストーリー」であり、「我が町にはこんなすごいものがある。」という発想では評価されません。津和野町が提示したストーリーは「津和野今昔~百景図を歩く~」。幕末の津和野藩の風景等を記録した「津和野百景図」に描かれた当時の様子と現在の様子を対比させつつ、往時の息吹が体験できる稀有な城下町として認定されました。津和野百景図とは最後の藩主である亀井茲監(これみ)が栗本格斎に命じて描かせ、亀井家より津和野町教育委員会に寄贈したものです。この度、町が最大限に活用して日本遺産認定に結びつけたことを本当に嬉しく思っています。主な構成文化財は津和野城跡、弥栄神社の鷺舞神事、鷲原八幡宮の流鏑馬神事(地元の活動報告参照)などで、現在の写真と対比するとあまり風景が変わっていないことに驚きます。
津和野町としては旅行者に街歩きをしていただきたい、観光バスでドッとやってきて数時間で次の町に移動、というのではなくて滞在していただきたいのです。今後、百景図を歩けるように街歩きマップを用意するとともに文化財の修復が予定されています。養老館や城跡の修復(地元の活動報告参照)がようやく進んでいくでしょう。楽しみです。