国づくり八策+2

動画で解説!「国づくり八策+2」

はじめに

 ウクライナ戦争が勃発し、世界的に物流が滞る事態に直面しました。日本が「輸出大国」であったのは30年も昔の話。令和4年の日本の貿易総額における輸出額は98.1兆円、輸入額は118.1兆円ですから約20兆円(19.9兆円)もの貿易赤字です。さらに深刻なのは、食料自給率が38%しかないこと。ウクライナ市民が戦時下でも食料を確保できているのは、この国が世界有数の穀物大国だからであり、ウクライナ産小麦の輸出が滞ると世界が困るというほどウクライナは農業国なのです。
 私は「食」と「教育」と「平和」が国づくりの基本だと主張してきました。国際社会が他国を支援する時、まず紛争を解決し、食料を支援し、学校をつくります。あらゆる問題が国の方針(国政)につながっていますが、究極的には戦争を起こさず、食料を確保し、教育(人づくり)をすることが、国政の要諦です。そしていま、そこが危ないと言わざるを得ません。
 食料自給率の向上を訴え、衆参通算で7年間、農林水産委員会に所属しました。けれどもこの間、種子法は廃止され、主食である米価は下落しました。漁業法の改正もありました。円安による食料品の高騰は、「食料は買えばよい」という国の政策、食料安全保障という概念が欠如した政府に根本的な問題があります。
 そして今、国の安全保障政策の大転換が進行しています。中国が台湾に侵攻することはあるのでしょうか。その時、世界中から武器を提供されてロシアと戦うウクライナのように日本がなってはいけない、中国と戦争をしないように「集団的自衛権」を行使してはいけないと思います。これから国政は非常に大事な局面を迎えます。政治に興味がないことは平和なことですが、突然状況が一変することがあるのです。どうぞ皆様には政治に関心を持ち、選挙を通じて政治に参加していただきたいと思います。そして政府に物申したい時は、政治家や政党につながっていただきたい。私もその先頭に立って、国政復帰を目指します。

亀井亜紀子の国づくり八策+2

  1. 国づくりは人づくり。子育てと教育予算を増やします。
    教育無償化と家賃補助など子育て世代の負担軽減を実現します。子育て支援金の保険料徴収は見直します。また私は文化にも予算を使います。安倍政権の頃からすぐに役立つ、経済につながる学問が優先されがちですが、文学も哲学も音楽もスポーツも大事です。健康で文化的な生活ができる島根県をつくります。
  2. 食べることは生きること。農林水産業を振興し、食料自給率を上げます。
    農業者戸別所得補償制度をバージョンアップし、中心的担い手の方々が農業を続けられる直接支払い制度を確立します。兼業農家、小規模農家も大事にします。また種子法の復活を求め、タネなどの遺伝資源を公的に守ります。漁業については巻き網漁業と小規模沿岸漁業が共存できるように、水産資源の管理基準など現場の声を聞きながら見直しを求めてまいります。
  3. 公的医療機関の再編統合を見直し、地域医療を守ります。
    公的医療機関は平時よりもコロナ感染症のような緊急時に本来の役割を発揮します。つまり平時に赤字であることを問題視するのではなく、近隣で役割分担しながら地域に必要な医療を確保し、そこに住み続けられる環境をつくることが大事です。また健康保険証のマイナンバーカード一元化で既に現場が混乱しています。現行の保険証は残すべきです。訪問介護の基本報酬引き下げについては凍結を求めます。
  4. 鉄道事業法を改正し、公共交通を維持します。
    規制緩和によって、路線の廃止は許可制から届け出制に変わっています。公共交通は「公共」という名の通り、公的に必要なサービスであり、もともと税金でインフラが整備されています。「官から民へ」と進められた新自由主義的な政策を改め、木次線や山陰本線を守ります。鉄道については線路などの維持管理と列車の運行を分ける上下分離方式を進めます。国境離島である隠岐については物流全般のフェリー料金の低廉化に努め、離島のハンディキャップを緩和し、人口減少に歯止めをかけます。
  5. 消費税を5%に。個人消費を拡大し、景気回復をはかります。
    物価高にガソリン代の高騰で家計の負担が増しています。その上にインボイス制度の導入で経営が圧迫されているという声が届いています。中抜きの懸念があるガソリン補助金はトリガー条項発動により1リットル当たり25円の減税に改めます。またインボイス制度や軽減税率など、消費税については抜本的な制度の見直しが必要です。私は消費税増税法案には反対しましたし、いまでも一度5%に下げて個人消費の拡大を優先すべきだと考えています。そもそも社会保障に使うと言いながら目的税ではなく、一般財源として財務省の財布に入ることが問題です。消費税について党内で結論は出ていませんが、声を大にしてまいります。
  6. 労働者にまっとうな賃金を。非正規雇用問題に取り組みます。
    少子化の最大の原因は、1990年からの30年間で非正規雇用者が2倍以上に増え、所得中央値が100万円も下がったことだと思います。つまり子育て世代の雇用が安定せず、賃金が上がらないことが、未婚化、非婚化を加速させています。税制改革や価格転嫁対策、中小企業の経営支援の強化により正規雇用への転換、正規と非正規雇用者の賃金格差の是正に取り組みます。
  7. 中古住宅の活用や自然エネルギーの促進等、循環型社会を構築します。
    マンション建設が進む一方、空き家の数はどんどん増える… 人口は減少しているのに何だかおかしいと思いませんか。もったいない。中古住宅を改修して安価に住めるよう政策を転換し、空き家問題の解決に努めます。また地域にあった自然エネルギーを促進し、原子力に頼らない脱炭素社会を目指します。防災については地震、津波、原子力という複合災害を想定し、能登半島地震の事例を踏まえて現実的な避難計画の策定を求めます。
  8. 憲法9条を遵守し、安全保障は専守防衛に徹します。
    政府は防衛費の倍増と復興財源の転用を決めましたが、何に使うのか中身はわかりません。武器輸出三原則は国会の議論を飛ばして緩和され、国際紛争を助長しかねないとして武器輸出を制限してきた政府方針の大転換が密室で行われています。そして専守防衛どころかシェルター一つ整備しない政府は、国民を守ろうとしているのか甚だ疑問です。日本海側には原子力発電所が集中しています。まずは専守防衛、永世中立国スイスのようにシェルターの整備を促進します。

政治改革(裏金問題)

裏金をなくし、政治家もきちんと納税させます。
自民党の政治資金パーティーで作られた裏金は、そもそも隠していたお金、表に出す予定のなかった「裏金」なので、政治資金というより政治家個人に属する個人所得として検察が処理すべきでした。つまりこの度の裏金問題は、政治資金の記載漏れではなく、個人所得を隠していたという「脱税」なのです。一般人が収入を何百万、何千万円と隠し、後に発覚したら追徴課税されるのに、政治家はそれを政治資金扱いにして「記載漏れでした」で済まされてしまうという悪しき前例が今回つくられてしまいました。検察は罪深いと思います。
まず企業献金の抜け道になっていた政治資金パーティーを企業献金と共に禁止し、政治と企業・業界団体との癒着を改めます。また政党からの政策活動費は政治資金として記載しなくて良い、という政治資金規正法の抜け穴を塞ぎ、その上で会計責任者と政治家本人の連座制について前向きに検討します。(現行法のまま連座制を導入すると、秘書の一存で政治家本人を失職させることが出来るのでリスクを伴います)

能登半島地震に学ぶ

地震、津波、原子力という複合災害を想定し、避難計画を見直します。
能登半島地震によって、地震、津波、原子力という複合災害が起こり得ることを認識させられました。東日本大震災がそうであったように、原子力災害というより、震度7の地震が島根半島を襲った時にどうすべきか、という視点が必要です。少なくとも家屋が倒壊するほどの揺れの中、「屋内退避」は不可能であることが明らかになりました。現行の避難計画は「絵にかいた餅」であり、真に住民を助けるための避難計画が必要です。避難計画の見直しと退避先として各地域にシェルターを整備することは必須です。

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