活動報告(ブログ)

2020年11月26日(木)衆議院地方創生に関する特別委員会

令和2年11月26日 衆議院地方創生に関する特別委員会議事速報(未定稿)

○伊東委員長 次に、亀井亜紀子君。

○亀井委員 立憲民主党の亀井亜紀子でございます。

 坂本大臣に代わりまして最初の質問になります。よろしくお願い致します。

 今日最初の質問は、地方大学・地域産業創生交付金についてです。

 私はこの委員会に所属して丸3年が過ぎたところなんですけれども、一昨年、この委員会でテーマとしていたことは、地方大学の活性化についてでした。大学進学を機に東京に若者が集まってしまうということが問題視されまして、10年間、東京の大学の定員数を増やさないということとセットで、地方の大学を研究拠点にしよう、そういう法律をこの委員会で通しました。

 委員会の視察でも、山形県鶴岡市の慶応義塾大学先端生命科学研究所ですとか、山形大学で有機ELの研究などを視察してまいりまして、その後、法律が施行された後でこの地方大学・地域産業創生交付金というものがつくられまして、私の地元、島根大学でも採択をされました。

 先端金属素材グローバル拠点の創出、ネクスト・ジェネレーション・たたらプロジェクトというもので、つまり、このたたらというのは、島根県は日本刀の素材である玉鋼を製造するたたら製鉄という技術がありまして、歴史的な背景から金属素材の拠点になっています。日立金属の主力工場である安来工場というのがありまして、この日立と連携して島根大学で金属素材の研究を始めたところなんですけれども、昨今、日立金属の売却問題が持ち上がってまいりました。非常に今地元でみんな心配しているところです。

 ここで質問なんですけれども、仮に日立金属が、どこか例えば外資系ファンドですとか、そういうところに売却されたとして、島根大学の産官学連携の研究の体制に変更が生じた場合であっても、大学は基礎研究の分野を担当しておりますので、この基礎研究の分野に対する交付金というのは影響を受けずに、そのまま研究を続けられるのかどうかということについて御答弁願います。

○行松政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の通り、島根県におきましては、平成30年度より、内閣府、地方大学・地域産業創生交付金を活用しまして、島根大学、日立金属、地域の中小企業のグループでありますSUSANOOなどを中心としました産学官の連携で、航空エンジンや世界最高峰の高効率モーターに用います先端金属素材の高度化に向けた研究開発や、関連する専門人材の育成等が進められております。

 その中で、委員御指摘の通り、本事業の中核企業の一つであります日立金属の売却に関する報道が出ているということは私どもも承知をしております。

 内閣府と致しましては、本事業が5年後、10年後、更に地域に根差したものとなるためには産学官の継続的な連携が大変重要であるというふうに考えておりまして、引き続きこれらの動向を注視してまいりたいと考えております。

 なお、御質問の、仮にというところでございます。

 なかなか仮定のところをつまびらかにお答えするのは難しいんですけれども、一般論として申し上げますと、産学官連携体制に変更が生じまして、私ども、この計画の認定基準の一つにありますのは、産学官の連携の実効性というものがあります、そこの担保が揺らいでくる、それが確保できないというような事態が起こりますれば、事業計画の見直しなどにつながる可能性は否定できないというふうに考えております。

 内閣府と致しましては、引き続き、この事業が地域の生産性向上につながるよう、島根県としっかりと連携をして対応してまいりたいというふうに考えております。

○亀井委員 研究現場が少々不安になるような御答弁ですけれども。

 大学は基礎研究をする場であって、その応用を日立金属に期待していたわけですけれども、仮に日立金属が現在のように協力的でなくなったとしても、その基礎研究の結果というのはほかの企業にも応用ができるものだと思いますので、新たなパートナーを見つけるのか、それは今後の展開次第ですけれども、基礎研究の方には影響が出ないように内閣府にはお願いをしたいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 次は、国交省にお出かけをいただきました。ありがとうございます。

 空き家対策という観点から、古民家再生について伺いたいと思います。

 私は地元が島根県でして、過疎の先進地です。人口は減っておりますけれども、その一方で、農地が潰されて、小さな新築住宅が建っております。そして、空き家は増えております。どう考えても、人口が減っているのに新築住宅が増えていくというのは私はおかしいと思っています。

 私の知人で、県外から移住をして住宅を買おうと思った時に、新築は高いので、それでローンを背負いたくもないので、中古のいわゆる古民家を探して、そして改装して快適に住んでいる人がいます。そして、彼は、やはり住宅政策が新築に寄り過ぎているので、古民家と、それから自治体の空き家バンクのようなそういう情報と、それから地元の工務店と、その3つをうまく結びつけることができたらば、もっと空き家が減るでしょうし、地域から人が出ていくのも防ぐことができると思うんですけれども、政府の政策というのは、空き家、古民家というと、どうしても県外からの移住ですとか、あるいは宿泊施設や店舗利用としての観点が非常に多くて、そういう補助金はあるわけですけれども、地元の人が中古の古民家を買って改装して住むということについてはあまり支援が見られないんですけれども、そういう対策はありますでしょうか。御見解を伺いたいと思います。

○朝日大臣政務官 お答え申し上げます。

 先生御指摘の古民家再生については、例えば空き家となった古民家を改修し、地域活性化のための活動、交流拠点施設等として活用する場合には、補助金等により地方公共団体を通じた支援を行うことが可能です。また、個人等が既存住宅として購入、改修する場合には、住宅ローン減税や住宅金融支援機構による長期固定金利の住宅ローンなど、税制、融資の制度を新築住宅と同様に活用することが可能となっております。

 住宅政策の推進に当たっては、新築、既存住宅の双方を対象とする各種の取り組みを通じ、将来世代に継承できる良質な住宅ストックを形成し、それらが流通する環境を整備することにより、国民の住生活に対する多様なニーズに応えていくことが重要であると考えております。中でも既存住宅の流通は、空き家の発生を抑制するとともに、さまざまな世帯が適切な負担で住まいを確保できるようにするためにも重要な政策であると考えております。

 このため、国土交通省と致しましても、引き続き、古民家など既存住宅の流通を通じ、国民の住生活に対するニーズが十分に実現されるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○亀井委員 ありがとうございます。

 中古の住宅、古民家の改装の支援については、まだあまり情報が少ないように思います。どうしても新築の方に誘導されてしまうので、この分野で、もう少し広報もしていただきたいと思いますし、私も広めるようにしていきたいと思います。

 私の提案ですけれども、例えば地元で、松江市でも、どうしてもその周辺部、中山間地ですとか半島ですとか、そちらの方の実家から若者が離れますから、空き家はそういう周辺に多く、中心部にどんどん新築ができてしまうんですけれども、例えば、実家の同じ町内であったり、半径10キロ以内であったり、エリアを指定して、このエリアで住宅を購入して住む場合にその何か支援策というものをつくれば、少しは同じ市内でその中心部に人が寄せられてしまうのを防ぐことができるんじゃないかなと思います。

 地元で色々意見交換などもするんですけれども、まあ、二世帯同居というのは、なかなか個人の嗜好ですから勧められないにしても、お金には敏感なので、その方が安いですよということになれば、同じ敷地内に家を建てるなり近くに家を買うなり、そういう方向に資金面で誘導すれば、少しはその地に若者がとどまるのではないかと思いますので、そういう御検討もいただければと思います。

 では、次の質問に移ります。

 国交省朝日政務官、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。

 それでは、次はスーパーシティーについてです。

 先の通常国会でスーパーシティー法案がこの委員会で審議されまして、私も質問致しましたし、内容に問題があるので反対を致しました。また、内容とともに、「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会、このメンバーに、座長として、パソナ会長、オリックス社外取締役の竹中平蔵さんが入っていることについて問題意識をお伝えしました。それは、当時、審議の時にも例を挙げましたけれども、国家戦略特区の養父市で、オリックスの子会社、オリックス農業が事業認定されていることもあって、オリックスの社外取締役である竹中平蔵さんがこの懇談会の座長を務めているのは利益相反じゃないですかという質問をしましたら、この事業認定された時にはまだ役員ではなかったから問題はないという当時の北村大臣の御答弁でした。また、この有識者懇談会は、スーパーシティー構想を実現するための制度のあり方を議論するものである、そして、本懇談会は特定の事業者を選定するなどの利益処分を行う場ではないことから、特定の事業者と利害関係を有する委員を除外する必要はないものと考えておるところでございます、こういう御答弁を前大臣にはいただいております。

 それで坂本大臣に質問なんですけれども、まず、このスーパーシティーの有識者懇談会というのが現在も続いているものなのかどうか。8月に一度開催されて、その後、菅政権になってはまだ開催されていないんですけれども、これからも続けられていくものであるのか、そして、そこに竹中座長がとどまるということが適切であるのか、御見解を伺いたいと思います。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 スーパーシティーの有識者懇談会につきましては、平成30年の10月29日に第1回が開催されておりまして、これまでに10回開催されております。今御指摘いただきましたように、直近では今年の8月20日に開催されております。

 今後の開催予定は未定でございますけれども、現時点では具体的な今後の開催は予定をしておりません。

○坂本国務大臣 御指摘の有識者懇談会では、スーパーシティーに関しまして国際的な動向を始めとする優れた見識をお持ちの委員の方々にスーパーシティー構想の企画立案、貢献をしていただいております。

 また、本有識者懇談会は、スーパーシティー構想を実現するための、前の大臣も答弁されたかと思いますが、制度のあり方を議論するものであり、その成果は、すべてのエリアや事業者に等しく活用の機会が開かれることになります。

 例えば、色々な、スーパーシティーというのは、人、物、その他の情報をしっかりと把握して、より効率的なスーパーシティーをつくり上げる、そのためのプラットホームをどうやってつくり上げるか、そういった制度論をしっかり論議をすることでございます。そのために、本懇談会は特定の事業者を選定するなどの利益処分を行う場ではありません。そういうことで、利益相反ではないというふうに思います。

○亀井委員 けれども、スーパーシティー法案というのはもう可決をしております。この有識者懇談会は去年2月14日に最終報告をしているんですけれども、今年8月の20日に開催をされています。法律が通った後のこの懇談会というのは、もう仕組みの話ではなくて、事業選定など、そういう利益処分にも関わってくるのではないかと私は想像してしまうんですけれども、その点はいかがでしょうか。

 そしてまた、時間がないので、もう一つ、まとめて質問を致します。

 そもそも、私、この質問、最初に通告した時に、成長戦略会議について書きました。ここに竹中平蔵さんが入っていることについての質問を致しましたら、それは地方創生担当大臣の所管ではないということを役所の方から言われましたので、成長戦略会議については、その位置づけ、そして所管大臣は誰なのかということも伺いたいと思います。お願いします。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 スーパーシティー構想を盛り込んだ国家戦略特区法案、6月に成立させていただきましたけれども、その後も、有識者懇談会、確かに開催をしております。その場では、今般、実は10月の30日にこの法律に基づきます国家戦略特区基本方針というのを改正を致したんですけれども、そこには、区域指定、スーパーシティーの区域を選定する時の選定基準とか、あるいは住民の意向の確認方法、そういったことを規定するということをやったわけですが、そういった制度論、この基本方針に盛り込むべき制度論というのを7月、8月の有識者懇談会では御議論をいただいたということでございます。

 それから、併せて御質問いただきました成長戦略会議でございますけれども、位置付け等の詳細については所管外でございますのでお答えは差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、御担当の大臣は西村経済再生担当大臣であるというふうに承知をしております。

○亀井委員 では、時間ですので、今日は終わりに致しますけれども、スーパーシティーの有識者懇談会はこれからも続いていく、それで座長は竹中平蔵さんのままだということのようですので、問題だと思いますけれども、また次回に続けたいと思います。

 以上です。

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