活動報告(ブログ)

2022年6月19日(日)鹿島町御津地区の残土処理場が危険な状態です。

 熱海市伊豆山地区の土石流災害から、もうすぐ1年が経とうとしています。山間部の盛土の崩壊が被害を甚大化させたと推定され、国や自治体による盛土の規制強化につながりました。

 実は中国電力(島根原発)に隣接する松江市鹿島町御津地区にも大規模な残土処理場があり、地元住民の危機意識が高まっています。現場を見てほしいという要望を受け、早速、視察しました。

 この土地は写真の標識の通り、有限会社コタニが御津地区から借り受けているもので、地元住民の話では年間300万円が御津地区に支払われているそうです。当初は10tトラックで年間30台程度の残土量だったところ、なんと今では多い時で1日150台も通るので、あと数年で一杯になってしまうといいます。そこで今、コタニは1日平均100台分の残土を向こう35年間、捨てられるよう隣地(海に向かって拡がる谷)の購入を土地の所有者に持ちかけており、御津地区で問題になっているのです。

 この残土処理場に向かう道路は、島根原発の建設に伴い地域振興策として片句地区と御津地区を結ぶために造られた細い県道で、写真の通り、とても10tトラック1日150台という通行量に耐えられるような道ではありません。現に道路が崩れて剝き出しの残土処理場につながっており、つい先日まで鉄板を渡し水が出ていたところを応急処置した跡がありました。

 地元住民はこれ以上、残土を持ち込まないでほしいし、少なくとも砂防ダムくらいは建設してほしいと訴えています。これから梅雨本番を迎え、梅雨末期には全国各地で集中豪雨が発生している昨今、熱海のような災害になるかもしれないと心配するのは当然でしょう。

 原発が立地する片句地区も隣接する御津地区も岩のりやサザエ、アワビなどがよく捕れる好漁場で、島根原発が停止している10年間で海がだいぶ回復したと言います。残土処理場になっている山林は魚付林として御津の漁場を豊かにしています。松江市はアワビの陸上養殖技術の確立を目指し、市が運営する鹿島・島根栽培漁業センターを東京の大学と企業に運営委託しました。今春、このセンターで育ったアワビの稚貝を7,700個、御津に放流したのですが、すぐ上の山林が残土処理場では話になりません。まず問題提起として皆様に知っていただきたいと思います。これから地元の方々の意見を聞き解決に向けて奔走する所存です。

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