奥出雲町で開催された「出雲坂根スイッチバック、どうにかなるか?」シンポジウムに参加しました。SNSに「鉄道の日」を記念してSLの写真や私が「鉄子」になりつつある、と書いたところ、鉄の彫刻美術館(道の駅奥出雲ループ併設)で開催中の『鉄道マンガ展@奥出雲』を勧められたのです。到着した時、ちょうどシンポジウムが始まり、人がたくさん集まっていました。ゲストの鉄道ジャーナリスト、ライター、YouTuberをはじめとして島根大学鉄道研究会のメンバー、備後落合駅のボランティアガイド、巷の鉄道ファンらが勢揃い!建設的な提案もあり、日頃考えていたことが裏付けられたというのでしょうか、とても参考になりました。
木次線の存続問題は今、地域が抱える喫緊の課題です。昨今、JR西日本は輸送密度等のデータを「木次線」ではなく、「出雲横田」で区切って算出するようになりました。そして人気の高いトロッコ列車「奥出雲おろち号」の廃止を発表。つまり出雲横田より先のスイッチバック区間は廃線にしますよと言っているようなものです。この日の発表で私が重要だと思ったポイントをいくつか書きます。
1.三江線の失敗(廃線になったこと)は住民に乗ってもらって守ろうとしたこと。日常的に使わない人にお願いするのは難しい。そうではなく、鉄道ファンが乗りに来る路線にしなければならない。
2.出雲横田から備後落合のスイッチバック区間は営業的には成立しない数字になっている。「戦略的撤退」をすることで出雲横田~宍道区間を守るのも一つの方法。出雲坂根スイッチバックについては高千穂鉄道を参考にして、観光路線として残してはどうか。
3.住民が「自分は乗らないから関係ない」と思っていては残せない。自分は乗らないけど、外から人が乗りに来て賑わっている、と木次線の意義を理解し、一緒になって考えられる環境をつくることが大事。
「戦略的撤退」という言葉に刺激を受けました。昨年、私は宍道から備後落合まで木次線全区間に乗車し、出雲坂根スイッチバックが「鉄道遺産」であること、営業的には成立しないことを感じていたからです。英国の保存鉄道について調べていたので、非常に参考になりました。