活動報告(ブログ)

2020年4月16日(木)衆議院本会議

令和2年4月16日 衆議院本会議議事速報(未定稿)

○亀井亜紀子君 立憲民主党・国民・社保・無所属フォーラムの亀井亜紀子です。(拍手)
 はじめに、この度、新型コロナウイルスに感染し、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますと共に、闘病中の方々の1日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 それでは、只今議題となりました国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案、通称スーパーシティー法案について、反対の立場から討論致します。
 第一の反対理由は、加計学園の事例に象徴されるように、国家戦略特区の選定過程が不透明で、事業の公募とは形だけではないか、一部の人々の利権に結びついているのではないかという疑いがあるからです。
 例えば、「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会の座長は竹中平蔵氏であり、同氏は、株式会社パソナグループ取締役会長、オリックス株式会社社外取締役です。パソナは国家戦略特区の大阪、神奈川等で外国人家事代行サービスを展開し、同じく特区の兵庫県養父市にはオリックス農業が参入しています。利害関係者が有識者懇談会の座長を務めることは、国家戦略特区の信頼性を大きく損なうものです。大臣には、竹中氏の交代を強く求めます。
 第二の理由は、国、地方公共団体等が事業者からデータ提供を求められた場合、プライバシーが侵害されないか、住民の合意形成の過程が不透明だからです。
 国家戦略特別区域会議のメンバーは、担当大臣、地方公共団体の長、特定事業を実施すると見込まれる者で組織され、計画段階に住民代表はいません。地方公共団体は、家族構成、収入、納税、健康保険料等、幅広い個人情報を保有しています。どの段階で住民合意を得るのか、サービスを希望しない住民は個別に情報提供を拒否できるのか、知らぬ間に情報が提供されてしまわないか、法案審議では明らかになりませんでした。
 第三の理由は、本法案が、国と地方との関係、地方自治の独立性を変えてしまう恐れがあるからです。
 昨年、国会提出されたスーパーシティー法案は廃案になりましたが、その提出前に、条例による規制緩和は、法律の範囲内で条例を制定するという憲法九十四条に抵触することから、見直されました。本法案は、スーパーシティー、スマートシティーの相互運用性の確保という形に変わり、スーパーシティーと名付けた国家戦略特区で進める規制緩和を全国のスマートシティーに横展開できるようになっています。その際、独自のサービスを提供する自治体にどんな影響があるのか、本来、国と地方の協議の場等で意見を聞くべきでしょう。
 未来都市をつくるというこの法案は、わからないことが多く、まだまだ論点が残っています。
 アメリカでは、自動運転車両による死亡事故が発生し、和解が成立しましたが、誰が法的責任を負うべきかというルールは未整備のままです。日本でも、実証実験を進めるならルールが必要です。
 また、トヨタとNTTは、静岡県裾野市でスマートシティー構想を進めています。国家戦略特区への申請はなく、どんな未来都市をつくるのか、この法律がなくても実現できるのか、知りたいところですが、緊急事態宣言下では参考人招致もできません。
 そうした観点からも、本日の採決は拙速であり、本法案は不要不急であることを指摘して、討論を終わります。(拍手)

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