鉄道開業150周年の「鉄道の日」(10月14日)に「山陰本線にSLを走らせる会」を設立しました。
JRローカル線の赤字問題。山陰本線の出雲市~益田区間は輸送密度が低く、営業赤字が34.5億円でJR西日本最大の赤字区間と発表されました。特急が走っている路線は廃線にしない方針だとは言いますが、今から10年後、山陰自動車道が全線開通すると山陰本線の存続問題が始まるのではないかと私は危機感を持っています。
これは木次線の存続問題を話し合う中で出てきた話で、実は木次線どころか本線も危ないと、ある人に指摘されたのです。木次線の場合、人気の高いトロッコ列車の廃止が決まり、観光列車「あめつち」は出雲横田駅までしか運行しないので、出雲横田~備後落合区間がまず廃線になるだろうと噂されています。これを山陰本線に当てはめた場合、新山口から津和野まで走っているSLが老朽化を理由に廃止され、まず新山口~益田区間の廃止が検討されるのではないか、と私は推測しています。
そこで新山口駅から米子駅まで次世代SLを導入することを目的にして会を立ち上げました。英国では鉄道愛好家が18年かけて300万ポンド(約5億円)を集め、時速100マイル(161キロ)を記録したSL「トルネード」を開発しました。特急のスピードで走る次世代SLの方が新幹線より現実的であり、夢がある計画だと思いませんか。JRローカル線の赤字に対峙し、山陰本線を守るためにも必要です。この日の勉強会では英国の映像を紹介しながら、会の趣旨について説明しました。運輸産業の関係者や島根大学の鉄道研究会、巷の鉄道ファンの方々が集まってくださいました。これからJRや沿線自治体、地元企業等に働きかけてまいります。