フィンランド大使館で開催された「オーロラＡＩ」の勉強会に参加しました。

　これは現在、フィンランド政府が官民一体で開発を進めている課題解決型のデジタルネットワークの名称です。日本の省庁縦割りシステムと比較すると、画期的な違いがあります。

　オーロラＡＩは、例えば「離婚」というテーマで検索すると、その人が直面すると思われる様々な課題、例えば仕事、子どもの保育、学校等の情報をＡＩが判断してパッケージとして提供してくれるシステムです。役所に何かを申請するのではなく、自分の個人情報を入力してカスタマイズされた情報を受け取るという考え方です。基本的にフィンランドは国民が政府を信頼しているので、個人情報を提供することに日本人ほど抵抗がありません。また相手にどの程度、情報を提供するかは個人が決めるという考え方が定着しています。つまり自分が提供した情報に見合ったサービスを受け取るのです。

　オーロラＡＩのシステム開発には日本企業も参加しているので、日本の技術が遅れているわけではないと思いますが、日本社会が追い付いていないことを実感しました。何よりも政府と国民の信頼関係を構築することが一番の課題だと思います。