活動報告(ブログ)

2018年7月17日(火) 衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

【7/17衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会】
質疑の模様を、以下ビデオライブラリーにてご覧いただけます。
<質問要旨>参議院選挙制度改革、故西岡参院議長の提案した選挙制度など

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48349&media_type=

 

平成30年7月17日 衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会議事録(文責:亀井事務所)

○平沢委員長 次に、亀井亜紀子君。

○亀井委員 おはようございます。立憲民主党の亀井亜紀子でございます。
本日は、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。会派を代表し、また島根県の代表として、質問をさせていただきます。
参議院の皆様御存じのとおり、私はかつて、合区じゃない、島根選挙区が存在していたころ、島根選挙区選出の参議院議員でした。1期6年務めまして、その間に、参議院の1票の格差が当時5倍もありましたから、最高裁で違憲判決が出るかもしれない、そういう危機感のもとで参議院の選挙制度改革に取り組んでおりました。
私は、西岡議長の時代に、当時所属していた政党の代表として選挙制度改革に深くかかわっていたものです。当時のことも振り返りながら、きょうは質問をさせていただきます。
まず、島根県民の立場として申し上げますが、今回の改正案は合区の解消ではありません。それは皆様もよく御存じだと思います。そして、私たちが求めているのは、あくまでも合区の解消です。
47都道府県という行政単位で政治が行われている以上、人口が少ないからといって隣の県と一緒に1つと数えていただきたくない、それが根本にありますから、今回、合区は解消されずに、拘束名簿を入れることで実質的に県から1人代表が出せるからいいだろう、そういう話じゃないんです。平等に扱っていただきたい、1つの県として見ていただきたい、そういう思いがありますから、今回の制度改正は地元においても余り評価をされていません。その一端として、今、参考資料、新聞記事をお配りしております。
そして、前回の合区の後の選挙、1票の格差、先日の最高裁の判決は合憲でした。合憲であるならば、そして合区を解消する抜本的な改革でないのならば、なぜこんなに急いで改革をするのか、改正を今回するのか、その理由をまず教えてください。

○石井(正)参議院議員 お答え申し上げます。
28年の参議院選挙合憲という中で、なぜ急ぐのかというお話を今御質問いただいたわけでございます。
次回選挙までの検討条項が公選法の附則にありまして、この改正を合憲といたしました29年の最高裁判決、この趣旨を踏まえまして、今回、埼玉県、福井県の間で3.07倍となっている最大格差、これを是正するということがまず求められているわけでございます。4県2合区ということについての御地元の強い御意見というものを今御紹介があったわけでございますが、実際に、おっしゃるとおり、選挙をやってみますと、対象県におきましては投票率が低下をする、そして、合区反対といったことなどが書かれました多数の無効票が出る、こういったようなことでありまして、合区への不平等感、不満感というものが地域から際立ってまいりました。
先ほども御答弁させていただきましたが、地方公共団体からのこの合区解消に関する決議、あるいは多くの県議会の方からの意見書、こういったことから、都道府県単位の地方の声を国政に届けられる選挙制度を望む、こういった地方の強い声、これに応えるためにも、時間がなくなってまいりまして憲法改正等々のいとまがないといったこともありまして、早急に、次回の選挙までにこういった声に応えていくという必要がありまして、今回のような法案を提出し、埼玉県の選挙区定数を2増加して、3倍未満の2.985倍に是正する、こういう法案をお願いをしているところでございます。
こういった状況でございまして、本来ならば、合区解消という強い声に応えるべきものとは考えておりますが、先ほど来申し上げておりますとおり、この憲法改正の問題が時間的ないとまがないといったことでありまして、今回、もう約1年前に迫っております参議院の選挙、これに備えた対応として今回提案をさせていただいたということでございまして、この点、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。

○亀井委員 繰り返し申し上げますが、今回のは合区の解消ではなく、拘束名簿式を入れることで実質的に県から代表が1人出るんだから、合区でもいいじゃないか、そちらの方向に固定化されるのではないかと私たちは心配しておりますので、全くその地元の声に応えているとは私には思えません。
抜本改革についてですけれども、1つの例として、かつて西岡議長がつくられていた案をきょうは参考資料として提出をしました。
西岡議長は、もともと長崎選出、参議院のときには比例代表であられましたけれども、長崎県が御出身で、当時、合区で長崎、佐賀の合区案というのもありました。私のところ、島根、鳥取の合区案もあって、お互いそういう対象県同士で話もいたしましたし、その中で、やはり人口が少ないからといって隣の県と1つというのは考えられないよねということで、どうにか1つの県から代表が出せないものか、西岡議長もかなり模索をされました。学者さんですとか法律家、メディアの解説員などを呼んで意見交換をしたわけです。
アメリカの上院は、人口に関係なく各州2人ずつ選出が決まっております。同じように地域代表にできないものかと模索したんですけれども、アメリカは連邦国家です。連邦国家における州と日本の都道府県では位置づけが異なるので、これでは最高裁で争ったときに負けてしまうということで、憲法改正しか道はないということで、当時、諦めました。
そして、何とか間に合わせる、最高裁が違憲を出せないように間に合わせる案として抜本改革を取り組んでおりまして、最初、西岡議長が出されたのは、全国を9ブロックに分ける比例代表制でした。ところが、現実に全国比例があるわけですし、相当な批判が出まして、各党の意見を入れながら2回ほどたしか改正をして、最終的に全国比例も取り入れ、そして、今お配りしておりますように、衆議院と同じように11ブロックに分けた大選挙区制といいますか、そのブロック単位の選挙区制度と、その選挙区定数が150、全体で150人ですね、そういう案を当時つくりました。
そして、これを各党に説明している間に亡くなってしまいまして、私は説明を受けたんですけれども、全体的に未発表のままになってしまった、これが最後の案なんですけれども、今、法案提出者の中に、この西岡議長の時代に選挙制度改革にかかわっておられた方はありますか。また、この案について聞いたことがある方はいらっしゃいますか。

○岡田(直)参議院議員 今回の法案提出者の中には、当時の西岡議長が主宰しておられた選挙制度改革検討会のメンバーはおりません。
ただ、先生御提出になったこの資料と同様の、「参議院選挙制度の見直しについて(参考案)」という、比例の議員を96人から82人に減員をして、選挙区150、それで11ブロック、この案については、概要を承知してございます。

○亀井委員 西岡議長は、議長として、1つの政党に偏らず、いろいろな政党の案を入れながらこの1つの案をつくっていったわけですけれども、こういうのを抜本改革というと思います。
憲法改正が間に合わないのであれば、当時の西岡議長のように、なぜ抜本改革に取り組まないのでしょうか。
そして、私が見る限り、余り改革をやる気がないとしか思えません。つまり、時間切れに持ち込んで、そして、今まで表に出ていなかった、党内だけで議論していたものをぎりぎりに出す、そういうやり方で、いつまでたっても抜本改革ができない、それが実態ではないかと思いますけれども、本当に、憲法改正までして合区を解消しよう、そういう姿勢があるのでしょうか。また、それができなかったときに、どういうタイミングで抜本改革をしようとしているのか、又はその気はないのか。お答えください。

○岡田(直)参議院議員 先ほどの西岡議長の案について、私どもの考えからすれば、やはり参議院の大切な柱の一つである比例の定数を減員をされているということと、それからもう一つ、もっと大きなのは、やはり、全国比例を残しながらブロック制を取り入れる、これはちょっと中途半端になってしまうのではないかなと。大体、そのブロックの中心都市とか大規模県に集中をして、島根県とか鳥取県とか高知県とか徳島県、このあたりからはなかなか立ちにくいということは問題意識として考えるところであります。
我々は、あくまでも、憲法47条で、3年ごとに少なくとも1県から1人立ち得る、そういう制度を今後とも追求してまいる覚悟でございますし、この西岡私案も抜本改革の一つと思います。
憲法改正を追求しますけれども、憲法改正によらない方向もいろいろと模索をしてまいりたいと存じます。

○亀井委員 西岡私案が必ずしも完璧というわけじゃありませんし、バランスが悪いところもあるかもしれませんけれども、それを言いましたらば、今回の拘束式と非拘束式を混合させるという案も非常にバランスが悪いと思います。
誰が拘束比例に回ってという、その決め方の基準はあるんでしょうか。また、これを取り入れる理由というのは、本当に、各県から1人出す、それが目的でしょうか。
例えば、来年の選挙、島根、鳥取、両方とも現職がいます。2年前の選挙は、島根県の代表が選出されています。今度、鳥取県から代表が出なければ、鳥取の参議院議員がゼロになるわけですけれども、その場合、比例で拘束をすれば、必ず、寝ていても当選すると思います。議員をなくさないためには、鳥取の候補を比例にして、島根の候補が戦うですとか、そういう何か基準というのはあるのでしょうか。お伺いいたします。

○古賀(友)参議院議員 お答え申し上げます。
特定枠の制度に関する御質問でございますが、今回の特定枠制度というのは、全国的な支持基盤あるいは知名度はないけれども国政上有為な人材、あるいは、民意を反映させる上で必要と各政党が考える、そういった人材など、多様な人材が当選しやすくなることによって、現代社会の民意の多様化に対処しようとするものであります。そのために導入するという趣旨でございます。
我が党といたしましては、先ほど来御指摘いただいておりますように、この合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているところでありまして、これは今後調整がなされていくことであろうというふうに思いますけれども、それ以外、各政党がどのように活用するかは、これはもう各党の自由な判断に委ねられているというところでございます。
以上でございます。

○亀井委員 非常にわかりにくい改正ですし、各党が恣意的に利用することもできますし、合区の解消にもなっていない、地元でも評価もされていない、そういう法律で、非常に不満である。今合憲であるところを急いで改正するよりも、きちんと抜本的な改革をしていただきたい、そのことを申し上げて、時間ですので、質問を終わりたいと思います。
以上です。

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