活動報告(ブログ)

2022年8月8日(月)東電株主代表訴訟判決についての記者会見に出席

 東京電力福島第一原発事故をめぐる株主代表訴訟で、7月13日(水)、旧経営陣4人が連帯して13兆3,210億円を賠償するよう東京地裁の判決が下り、原告3人による記者会見が外国人記者クラブにて行われました。

 この訴訟は株主代表訴訟なので、会社に損害を与えた責任について株主が経営陣(役員)を訴えるという形式の裁判です。今回の判決は賠償額が莫大であることに加え、原発事故について国に責任はないのか、民間人にすべての責任を負わせるのか、と誰もが思うでしょう。

 国の責任については、15メートルの津波予測が東電から国に報告されたのは事故の4日前であり、(論点として)国は対策を講じるよう命令はできたはずですが、東京地裁は国に責任がないと判定しました。また他の裁判においても、津波は予見不可能であったと最高裁で既に判決が出ています。

 約13兆円もの賠償金を個人が連帯して負う、ということは実質的に自己破産を意味しており、これは原発を有する電力会社の現経営陣に対して相当のプレッシャーになるでしょう。今、島根原発を含め、各地で地元自治体が原発再稼働を決定していますが、事故が起きた場合、国は責任を逃れてしまう、経営陣が自己破産に追い込まれるという判決は、かなり衝撃的です。

 今回の判決は、判事が福島第一原発を視察した後に下されています。これまでも原発事故に関する訴訟はありましたが、原発周辺を視察しても、原発そのものには行っていないのだそうです。そういう意味でも画期的であると原告側から評価されています。

 国策である原発について民間企業、すなわち民間人がすべて責任を負うことに疑問はありますが、今回の判決によって電力会社が自分事として原発と向き合い、脱原発を模索する契機になることを願っています。

PAGE TOP