活動報告(ブログ)

2019年11月13日(水)衆議院外務委員会

【11/13衆議院外務委員会】
亀井亜紀子の質疑を、以下ビデオライブラリーにてご覧いただけます。<質問要旨>日米貿易協定
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=49543&media_type=

令和元年11月13日 衆議院外務委員会議事録(文責:亀井事務所)

○松本委員長 次に、亀井亜紀子君。

○亀井委員 おはようございます。立憲民主党の亀井亜紀子でございます。

きょうは、外務委員会の皆様、お時間をいただきましてありがとうございます。お礼申し上げます。

先日、10月24日に、農水委員会の方で、日米貿易協定について、大臣所信に対する質疑の中で質問させていただきました。そのときには中山政務官にお出かけいただきました。ありがとうございました。

ただ、そのときの質問は、やはり私は茂木大臣に質問したかった内容でして、答弁についても納得いかない部分がございましたので、きょうの前半は、先日の農水委員会の質問と重なりますけれども、同じことを大臣に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

今回、日米貿易協定が合意に至った、デジタル貿易協定と両方合意に達したという報道が最初にされたときに、私が初めに思ったのは、あらっ、貿易協定の名前が変わったと思ったんです。

実は、去年、農水委員会で、なぜ日米物品貿易協定なのか、これは日米貿易協定ではないか、FTAではないかとさんざん言い合ったんですね。そして、昨年の日米共同声明があったときに、NHKの同時通訳者は、FTAの交渉が始まると最初は訳したんですけれども、それを外務省が誤訳であるとクレームを入れて、それで、日米物品貿易協定なのだと農水委員会の理事懇にまでいらして説明を伺ったんです。

ですので、ちょっとここにまず戻りたいと思います。きょうは、全部、原文の英文だけお配りしております。

1ページ、昨年の2018年9月26日の日米共同声明での英文です。ここの3番目ですが、これがTAG、日米物品貿易協定の根拠となった文章かと思います。線を引いてございますけれども、「トレード アグリーメント オン グッズ」、これの頭文字がTAGです。「アズ ウエル アズ」、何々と同様に、この後ろが「オン アザー キー エリアズ」、他の重要な分野、「インクルーディング サービシーズ」、サービスを含むとあります。

日本側は、このTAG、ここを、前半を切り出して、日米物品貿易協定であってFTAではないということでしたけれども、私は、「オン」の後、「グッズ アズ ウエル アズ オン アザー キーエリアズ」、ここは同格なので、この後ろは全部一まとまりですよ、「トレード アグリーメント」はこの後ろの「オン」の後に、全部にかかる言葉だから、1つの協定でFTAじゃないですかと申し上げました。

それに対して、先ほどから申していますとおり、関税に関する協定であって物品貿易協定だと外務省は強く言っておられたのに、なぜ今回、物品という言葉を落としましたか。大臣に伺います。

○茂木国務大臣 昨年9月26日になるんですが、日米共同声明におきましては、このお示しいただきましたジョイントステートメントの3番、5番、これを見ていただければ明らかなように、工業品と農業品について対象にし、そして、今お触れいただきましたアズ ウエル アズの後になるわけでありますが、その他、早期に結果を生じ得るものを対象にする旨で合意をしたところであります。

インクルーディング サービスの後にカンマがあって、ザット キャン プロデュース アーリーアチーブメントでありますから、ザット キャン プロデュース アーリー アチーブメントは、トレード アグリーメントのグッズとアザー キー エリアズ両方にかかるということになるわけであります。

この共同声明に沿って交渉を行った結果、合意した協定の正式名称は、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定、英語ではトレード アグリーメント ビトウィーン ジャパン アンド ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカとすることにしました。

いずれにしても、本協定は、協定の内容をごらんいただいても、日米の物品の関税を対象にしたものでありまして、物品貿易に関する協定であることは間違いありません。

また、この日米貿易協定とは別途、その他早期に結果を生じ得るものとして、私とライトハイザー代表との間で、デジタル貿易について協議をしようということで、今回、日米デジタル貿易協定について、日米間で最終合意、署名を行ったわけであります。

この日米デジタル貿易協定は、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するためのルールの整備などを目的とする協定でありまして、物品関税の撤廃、削減を規定する日米貿易協定とは性格が異なることから別途の協定とした、こういう形であります。

○亀井委員 内容的に関税のみ、日本側は農産物、米国は自動車・自動車部品に関する関税について書かれている条約について、なぜ物品貿易ではなくて日米貿易協定という名前をつけたかというところは答えていただいていないように思います。

先日、連合審査のときに、佐々木委員が、なぜ今回2つの協定に分けましたかという質問がありました。

日米貿易協定といえば包括的な協定を思い浮かべるわけですし、その中にデジタル貿易の部分というのは入れてしまっても一向に問題はないと思うんですけれども、このように2つに分けて出してきたということは、今後の協定、今後も更に交渉されるとおっしゃっているわけですが、早期に合意できたものについて、どういう形で出てくるのかというのが気になります。

といいますのは、昨年、アメリカ側は、2018年の12月の21日、22項目の交渉目的を米国通商代表部、USTRは発表しております。この中からその交渉のメニューが出てくると思われますけれども、サービス貿易、投資、知的財産、労働、為替等々ありますが、この後の協定、また日米投資協定とか日米知的財産協定とか、全部ばらばらに結ぶようなことをお考えでしょうか。

○茂木国務大臣 まず、御質問の前半部分につきましては、先ほども答弁をさせていただきましたが、日米のデジタル貿易協定は、円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するためのルールの整備を目的とした協定でありまして、基本はルールの整備です。それに対して、物品関税の撤廃、削減を規定する日米貿易協定とは明らかに性格が異なるということで、別途の協定とした。

そして、お触れいただいた昨年の11月のアメリカ、これは、TPAをとるためには、いつも、こういう項目についてやりますというのを議会に対しても出すわけでありまして、それに沿ってアメリカの国内手続としてやられたものだ、このように理解をしております。

では、今後の交渉がどうなっていくかということについては、9月25日、今回の日米共同声明におきまして、まずどの分野を交渉するか、それについて今後協議をすると。この日米の協議の中で決まった分野について協議が行われることになります、交渉が行われることになりますが、交渉の結果、では、どういう協定をつくりますとかどういう形にします、こういったことは決まっておりません。

まさに、まずはこの日米貿易協定そして日米デジタル貿易協定が発効した後に行われます協議において今後の進め方等々が決まってくるものだ、そのように明記がされているわけであります。

○亀井委員 関税に関する取決めと、デジタル貿易、ルールに関する取決めは別のものだから2本に分けたとおっしゃいますけれども、何事においてもルールの取決めですから、貿易協定というのは、何もわざわざ2つの協定に分ける必要はないんじゃないかなとやはり腑に落ちない部分がありますし、では、今後、何の分野をやるかということについて既に発表がされておりますよね。「関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題についての交渉を開始する意図である。」と今回、声明でございます。

ここにもう1回関税が出てくるわけですけれども、ということは、関税に関する今回の協定というのはこれで終わりではない。今回は米は除外されていますけれども、協定の原文に、特に今後米が入らないというような表現もないですし、自動車や自動車部品の交渉も行うけれども、米もテーブルに上がるという可能性はありますでしょうか。

○茂木国務大臣 9月25日の日米共同声明、パラグラフの3になるわけでありますが、そこにもありますように、日米で今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしておりまして、その後の交渉では、この協議において日米双方が合意したもののみについて交渉することになるわけであります。

そして、関税につきましては、この協定に、さらなる協議による関税の撤廃、関税の撤廃についてさらなる協議を行う、こういったことが明記をされております自動車・自動車部品を想定しておりまして、それ以外の分野というのは想定をいたしておりません。基本的に、物品貿易につきましては、今回の日米貿易協定でカバーした、このように考えております。

そして、いずれにしても、次の段階の交渉も日米双方にとってウイン・ウインなものとなるようにまずはしっかりと協議、コンサルテーション、これを行う考えでありまして、また、どの分野を交渉するにしても、我が国の国益に反するような合意を行う考えはございません。

○亀井委員 自動車・自動車部品の関税の撤廃に関する原文のことは後でまた質問させていただきたいと思うんですけれども、次の質問は、今回、日米貿易協定と呼んでいるもの、これはFTAでしょうか。

といいますのは、ガット24条の例外規定となるのはFTAだけですから、これはFTAじゃないと言ってしまうと関税の削減が発効できないわけですよね、国際法違反になりますから。そういう意味で伺っております。日米貿易協定はFTAでしょうか。

○茂木国務大臣 FTAというものに対して、国際的にこれがFTAであるという共通の認識というのはございません。どういう形のものをFTAと言うのか亀井先生の方で定義をしていただいたら、その定義が日米貿易協定と同じであるかどうかについてしっかりとお答えさせていただきたいと思います。

○亀井委員 今の発言は結構私は大きいように思いまして、つまり、FTAの定義というのは、はっきり規定されていないにしても、大体、WTOの加盟国の中で共通認識というのはありますよね。基本的に関税撤廃に向かう中で、原則関税撤廃であるけれども、大体9割くらいは撤廃をする、例外は1割程度というような共通認識があってのそれぞれの地域別のFTAであったと思うんですけれども、では、今回、おおむね9割というような、そういう国際認識というのはないんだ、関係ないんだとおっしゃっているように聞こえますけれども、それでよろしいですか。

○茂木国務大臣 ガット24条の規定はそのようにはなっていないと承知をいたしております。

○亀井委員 えっ、そうですか。

これは違うんじゃないかと思いますよ。今まで、いろいろな議員の方が今回の日米貿易協定はWTO違反ではないかという質問をしております。それはなぜかというと、関税の削減率が9割に満たないからです。

例えば、2018年度の日本から米国への輸出総額は15兆4千7百2億円でしたが、そのうち、29%が自動車、6%が自動車部品、6%が原動機です。自動車・部品を除いた関税撤廃率は59%ですから、WTOが求める約90%にはほど遠い。

なので、自動車の関税撤廃が明記されてはいない中で、ここは後でまた争う部分ですけれども、現在撤廃されていない中で、その数値まで含んで9割という基準を満たしているというのはおかしいんじゃないですか、そういう質問がたくさんあったかと思いますけれども、この9割は関係ないとおっしゃっているんでしょうか。

○茂木国務大臣 そうではございません。

申し上げたのは、FTAの定義でガット24条のお話をされましたので、ガット24条は、加盟国が自由貿易地域を設定するに当たって、関税譲許との関係において、実質上全ての貿易について関税その他の制限的通商規則が廃止されることが求められる、こういうことが書いてあるわけでありまして、それに沿った協定になっている。

ただ、ここに、FTAの定義がガット24条に書いてあるわけではございませんという話を申し上げたんです。

○亀井委員 確かにその文章に9割までは認めましょうと書いてあるわけじゃないですけれども、基本原則、関税はなくす……(茂木国務大臣「FTA」と呼ぶ)でも、それは、FTAというのはガット24条の例外として認められているものじゃないんですか。

これはもう1回確認します。

○松本委員長 御質問ですか。(亀井委員「確認です」と呼ぶ)

茂木外務大臣。

○茂木国務大臣 ガット24条においては、自由貿易地域というものの規定はされておりますが、フリー・トレード・アグリーメントとは何かという規定をしているものではございませんという話をしているんです。

○亀井委員 その中でWTO加盟国の共通認識というのがある程度合意形成されているというのが私の認識ですけれども、ここは私は腑に落ちない部分がありますけれども、先に行きたいと思います。では、次の質問のときに補足で御答弁いただければと思います。

自動車と自動車部品の関税撤廃が約束されているかということが、またこれまでも多く質問にありました。

ですので、私はきょう、原文を持ってきました。

きょうお配りしている資料の1番最後のページなんですけれども、この7番の下のところ、下線を引いております。ここが今回の、自動車及び自動車部品、「オートモービル アンド オート パーツ」についての関税の今後の交渉に関して書かれている部分です。

茂木大臣は、関税撤廃は約束されているんだというふうにおっしゃっていましたけれども、ここでは、「サブジェクト ツー」ですから、委ねられるということですよね。「ファーザー ネゴシエーションズ」、さらなる交渉、「ウイズ リスペクト ツー」、何に関してかというと、「ジ エリミネーション オブ カスタムズ デューティーズ」、関税の撤廃についてのさらなる交渉というふうに読めるわけですけれども、ただ、全てはその交渉を経てのことですから、さらなる交渉が行われていない今の段階においては、決まっていないというふうに読むのが普通であろうと思いますけれども、いかがでしょうか。

○茂木国務大臣 まず、先ほどのところ、私の説明が十分先生の御理解をいただけなかったのかもしれないんですが、ガット24条においては、加盟国が自由貿易地域を設定するに当たりまして、関税譲許との関係において、実質上、全ての貿易について、関税その他の制限的通商規則が廃止されていることが求められている。そして、我が国としては、貿易額のおおむね9割の関税撤廃、これを1つの目安と解して考えておりますけれども、この目安について各国で若干の違いがあっても、大体この部分は同じなんだと思います。

ただ、これとFTA、フリー・トレード・アグリーメントの概念というのは違っている。フリー・トレード・アグリーメントという概念になりますと、国によっては、当然、ここの中にサービスであったりとかその他の分野が入ってくる。さらには、包括的FTA、こういうことになりますと、知財の問題であったりとか、そういった問題も入ってくるものを一般的に我が国では包括的FTA、こういった形で呼んでおりますが、冒頭申し上げたように、このガット24条がFTAについて規定されたものではない。

したがって、また、そういう国際的な概念が確立をされておりませんから、先ほどの質問で、日米貿易協定がFTAかという質問をされますと、先生なりにFTAというものをどのような概念で捉えていらっしゃるか明確にしていただいたら、日米貿易協定がFTAに当たるかどうか明確にお答えできます、そういう話をさせていただいたところであります。

その上で、後段の部分でありますが、今回の協定においては、構成でありますけれども、まず、協定の本文の第5条の1におきまして、各締約国は、附属書Ⅰ又は附属書Ⅱの規定に従って、市場アクセスを改善すると、両締約国、この場合は日本とアメリカになるわけでありますけれども、この義務を規定をした上で、それぞれの締約国の附属書において、この市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載するという形にしております。

そして、米国の附属書、今お示しをいただいておりますように、ここには、自動車・自動車部品について、関税の撤廃に関して更に交渉する、カスタム デューティーズ オン オート、アンド オート パーツ ウイル ビー サブジェクト ツー ファーザー ネゴシエーション ウイズ リスペクト ツー ジ エリミネーション オブ カスタム デューティーズということが書いてあるわけでありまして、まさに、市場アクセスの改善策として、その具体的な撤廃時期等について、今後交渉が行われるということになるわけであります。

○亀井委員 前段のFTAの部分については、先ほどの御答弁とあわせて、何をおっしゃりたいかはわかりました。つまり、私の質問に対して、あくまでも日米物品貿易協定であって、日米貿易協定と名前が変わったけれども、まるで包括的FTAのような名称だけれども、これはFTAではないのだ、だから、そのFTAの定義にはめる必要はなくてというふうに私には聞こえましたけれども、次の質問に行きたいと思います。

今の、関税撤廃の時期について今後交渉をすることになっているという、その御答弁も今までもほかの方にされていると思いますけれども、そうであるならば、この英文ですね、やはり言葉が足りないです。ファーザー ネゴシエーションズ ウイズ リスペクト ツー ザ スケジュール フォー エリミネーション オブ カスタム デューティーズと、そこにスケジュールという言葉が一言入っていれば、関税の撤廃が前提となっていて、その日程感について交渉であると読めますけれども、その言葉がない限り、関税の撤廃という言葉、単語がここにあるからといって、それが前提になっているとは読めません。

いかがですか。

○茂木国務大臣 どういう文章をつくるか、全体の中で、日米間で協議をして、この文章ということで確定をしたわけでありますけれども。

先生の趣旨でおっしゃいますと、サブジェクトツー ファーザー ネゴシエーション ウイズ リスペクト ツー カスタム デューティーズであれば、それだと関税撤廃というのは約束をされていないということになるのかもしれませんけれども、「ウイズ リスペクト ツー ジ エリミネーション オブ カスタムズ デューティーズ」、こういう形になっているわけです。

単純に関税について更に協議をするではなくて、関税撤廃について協議をする。もしその関税撤廃というものが決まっていなければ、ここに「ジ エリミネーション」、こういう言葉は入ってこないんだと思います。

○亀井委員 そこは私の認識とは違いますね。やはりそれが関税であろうが関税撤廃であろうが、要するに、「ファーザー ネゴシエーションズ」、今後さらなる交渉を通じてどうなるかが決まるということなので、何事も一方的にアメリカが関税を下げるよと言ってくるわけがないので、交渉を通じて決まることなので、ここはごく一般的な、関税の撤廃についてはさらなる未来の交渉に委ねましょうと書いてあるわけで、撤廃するということが前提になっているわけではない。それを前提だと言うためには、やはりスケジュールという一言が必要だということを申し上げておきたいと思います。

それで、きょうこの英文をお配りいたしましたのは、今回、非常にやはりこれは日米で不平等な条約だなということを感じまして、その構成をちょっと皆様に御説明したくてお配りしました。

2枚目ですね、2枚目から2枚というのは、今回の協定の附属書のⅠの最初の2ページです。後ろの2枚は、附属書のⅡ、今回和訳されていない方の最初の2ページになります。

比較します。

日本側、関税あるいは関税関連のプロビジョンズ、契約事項ですけれども、日本側が約束したことですね。その下にセクションAとあって、ゼネラルプロビジョンズという、プロビジョンズという言葉が使われています。これがいわゆる契約条項です。そして、その後ろのページですね。ここに、セクションBで、タリフコミットメンツ、コミットメンツというのは約束という意味ですけれども、関税に関して日本が約束したこととして、だあっとたくさん書かれているわけです。

それに対してアメリカの方の附属書、次のページですが、これは、タイトルこそ同じで、関税、関税関連に関するプロビジョンズと書いてありますけれども、その下、コミットメンツという言葉もなければ、プロビジョンズという言葉もなくて、いきなりゼネラルノーツ、注釈で入っているわけですよね。ですから、どうしてこんな非対称な構成なんでしょうか。

つまり、コミットメント、単数形のコミットメント、約束1つとれていないというふうに読めますけれども、何でこんな不平等な構成なんですか。

○茂木国務大臣 決して不平等な形にはなっていないと思います。

それから、若干、全て英語でおっしゃっているので、なかなか、皆さんがどこまでしっかり理解されているかも含めてなんですが、附属書のⅠ及びⅡは、表題が、御指摘ありましたように、タリフス アンド タリフ リレーテッド プロビジョンズ オブ ジャパンと、オブ ジ ユナイテッド ステーツであることからも明らかなとおり、その全体が日米それぞれの関税上の約束を定める規定というものに日本語で言えば該当するわけであります。

そして、附属書の中でのノーツ、注釈、それからプロビジョン、規定という表現が用いられておりますが、あくまで附属書の構成によるものにすぎず、約束の程度に異なるものが出るわけではございません。

そして、先ほども言ったように、5条の1の中で、こういうふうに附属書のⅠ、Ⅱで決められた形で市場アクセスの改善をするということのやり方が書いてあるのが附属書でありますから、それによって、日本の書き方と英語の書き方、全て同じことが書いてあるわけじゃありませんから、この言葉が違うからといって、何らかそれによって約束の程度、アメリカの約束は非常に軽くて日本の約束が非常に重いとか、そういう形にはなっておりません。

○亀井委員 そんなことはないですよ。

なぜ私がこんなに英語を持ってきたかといいますと、今までの御答弁で、英語で書かれていることと日本語で皆さんに説明していることが違うからです。だから、きょうは英文を持ってきました。

それで、不平等だということをお示ししたくて、私はちょっときょう、この英文の協定をかざしたいと思うんですけれども、先ほどの、日本が附属書で約束した部分、そのページ数というのは4ページから117ページまでですよ。これだけの厚みがあって、103ページあるんですね。それで、内容はコミットメンツですから、日本側の約束として書かれている。

それに対して、附属書のⅡというのは、118から141ページまで、23ページだけ。これだけ薄いわけですね。さらに、コミットメンツという言葉はアメリカ側にはないんです。

これのどこがウイン・ウインなんでしょうか。

そしてもう一つ、附属書のⅡを訳さなかったのは、訳してしまうと、これだけ内容に差があるということが見えてしまうからではないでしょうか。違いますか。

○茂木国務大臣 協定の第7条におきまして、「この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。」と規定をされておりまして、そもそも附属書全体が協定と同じ法的効果を有しているということになるわけであります。

量が多い、量が少ない、いろいろ検討されたこと、それから、亀井先生が英語について非常に造詣が深いことについてはよく理解をさせていただきました。

○亀井委員 いや、全然答えになっていませんよ。

交渉というのは、やはり、どういう文言を入れるか、その戦いだと思います。幾ら、今まで、議事録が公開されていないだとか、いろいろなやりとりがあって委員会がもめたことも知っていますけれども、仮に議事録が公表されようと、この協定に書かれているか書かれていないかが全てであり、その言葉、何の文言を使うかということがいわゆる交渉でもめる1番のかなめだと思いますから、ここにコミットメンツがないとか、ゼネラルノーツで注釈レベルだとか、そういうことが全てを語っていると思います。違いますか。

○茂木国務大臣 よく聞いてください、よく聞いてください。

先ほど答弁いたしましたが、協定の第7条をごらんください。第7条をごらんください。そこに、「この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。」と規定をされているわけであります。つまり、附属書全体が協定の本体と同じ法的な効果を有していることは、この7条から明らかであると私は考えております。

それから、附属書の日本語でありますが、日・EU・EPA、さらには日豪EPA、これにおきましても、相手側の附属書の日本語というのはつくっておりません。

更に申し上げますと、TPPにおきましては、英語、フランス語、そしてスペイン語、この3カ国語が正文でありまして、日本の正文というのはございません。

○亀井委員 時間が超過しておりますのでここでやめますが、私が申し上げたいことは、先ほど、協定とその附属書が不可分だ、それはそのとおりですよ。それで、不可分である、だから非常に重要な附属書の日本が約束した部分がこんなに厚くて、アメリカの部分がこんな薄い。これは、英文を和訳したら膨らむんですけれども、同じ英語で書かれていますから、このボリュームの違いというのが全てなんですよ。これが、平等であり、ウイン・ウインであるとはとても思えない。そして、アメリカから、コミットメント、約束1つとれていないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

以上です。

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